参院の緊急集会を討議
参院憲法審査会は10日、憲法上、衆院解散中に内閣の求めで開くものとされている参院の緊急集会について討議を行いました。
日本共産党の山添拓議員は、参院の緊急集会が憲法に規定された理由について、「権力分立を維持し、国民の権利保障を全うし、立憲主義を貫こうと考慮したものだ」と指摘。さらに、ドイツ、フランス、イタリアなどが戦時の「緊急対応」で緊急権を定めている一方、「二度と戦争をしない」と宣言した日本国憲法の下では「戦時対応」に名を借りた緊急事態条項は必要ないとし、「権力分立による権利保障を貫くあり方を追求した結果、国際的にもユニークな緊急集会の規定に結実した」と強調しました。
山添氏は、報道各社の世論調査を示し、岸田文雄首相在任中の改憲について「賛成」35%で、「反対」47%が上回り(毎日新聞)、1年で賛否が逆転したと指摘。コロナ危機やロシアのウクライナ侵略に乗じた改憲議論が重ねられてきたが、「こうした危機を経てなお、改憲は政治の優先課題となっていない」と述べ、憲法を徹底的に生かす政治こそ実現すべきだと主張しました。
立憲民主党の杉尾秀哉議員は、「緊急事態」で国会議員の任期延長を可能にする改憲議論について、「権力の持続化につながる。不要であり危険だ」と述べました。
(「しんぶん赤旗」5月11日付より)