感染研の法人化反対 宮本氏「命・健康に関わる」 衆院厚労委

質問する宮本徹議員=17日、衆院厚労委(しんぶん赤旗提供)

国立感染症研究所(感染研)と独立行政法人国立国際医療研究センターを統合し、特殊法人化する国立健康危機管理研究機構法案が17日の衆院厚生労働委員会で、自民、公明、維新、国民などの各党の賛成多数で可決されました。日本共産党、立民は反対しました。共産党の宮本徹議員は、業務の効率化を法定化し、事業や人、予算を削ることになれば、「国民の命と健康にかかわる」と批判し、予算や研究体制の抜本的拡充を求めました。

感染研は、国の研究機関として、希少感染症も含め感染症法の届け出が必要な全ての感染症の研究・検査や疫学調査、ワクチンの国家検定などを行っています。これまでの行革でも、政府は、感染研が国の重大な危機管理に直結する業務を行っているために国立としてきました。

法案では、厚労相が定める中期目標として「業務運営の効率化」が掲げられています。宮本氏は「研究や業務について毎年1%などの効率化が求め、運営費交付金が削られるのではないか」と告発。浅沼一成審議官は「現在の事業の特性も生かしつつ検討していく」と否定しませんでした。

宮本氏は、感染研で電気代が払えない事態も生じているとし、「競争的研究費だのみになっていて、個々の研究者の基盤研究費は全く足りないという認識をもっているか」と迫りました。加藤勝信厚労相は、「予算を確保し、研究の遂行に支障がないと認識している」と答弁。宮本氏は「現場の研究者から直接意見を聞いてほしい」と強く求めました。

(「しんぶん赤旗」5月19日付より)

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