多数の樹木が伐採される明治神宮外苑(東京都港区・新宿区)の再開発問題で、ユネスコの諮問機関の日本イコモス国内委員会は18日、都庁で記者会見し、同日開かれた東京都環境影響評価審議会が、三井不動産など事業者が提出した環境影響評価書(環境アセス)に問題はないとしたことに対し、科学に基づかないもので「断じて許容できない」と表明しました。
会見で日本イコモスの石川幹子理事は、環境アセスの内容が、事業者が準拠したと説明する「自然環境アセスメント技術マニュアル」に従っておらず、科学的・学術的に行われていないと指摘。調査の基準が事業者の恣意(しい)的な判断であり、必要な図が作られていないなどの問題があると強調しました。
また、日本イコモスが環境アセスの問題の指摘内容を審議会で説明したいと求めてきたのに、説明の場がないまま審議会が結論をまとめたと説明。「民主的でない運営が行われた」と批判しました。
再開発は、神宮球場と秩父宮ラグビー場を移転し、超高層ビルを建設するもの。都が施行を認可し、工事の準備が進んでいます。
(「しんぶん赤旗」5月20日付より)