日本共産党の田村智子議員は22日の参院決算委員会で、有期雇用の研究者が無期雇用への転換直前で雇い止めされる問題をただしました。理化学研究所(理研)をはじめ、国立大学や国立研究開発法人で雇い止めが相次ぐなど、「大規模な雇い止めは止められなかった」と指摘し、防止のための法制度導入を求めました。
「理研の非正規雇用問題を解決するネットワーク」は18日発表の声明で、日本学術振興会(JSPS)の「卓越研究員」にも選ばれている30代の研究者が雇い止めされ、中国の研究機関に転出するなど「国益を損なう最悪の事例」も発生したと強く抗議しています。
田村事務所の調査では、国立大学などの研究機関で4月1日に無期転換権を得る研究者4500人(昨年2月時点)のうち、無期転換か無期雇用の職に就いたのは1665人にすぎません。田村氏が「3000人が元の研究職を離れたことになる」と迫ると、永岡桂子文部科学相は「フォローアップのための調査を今後実施する」と述べました。
田村氏はさらに、一般社団法人男女共同参画学協会連絡会が自然科学系の研究者らに実施したアンケート調査を紹介。通算10年以上雇用継続すれば無期雇用契約に転換できる「無期転換ルール」施行前の2012年では、有期雇用研究者の雇用期間は「5年以上」が男性40%、女性32%なのに対し、施行直前の21年では「5年を超えて10年以内」は男女とも6%に激減するなど「雇用の不安定化がもたらされている」として、無期転換ルールの見直しを求めました。
(「しんぶん赤旗」5月23日付より)