企業に莫大な利益保証 参院本会議で山添議員指摘
国内軍需産業の基盤を強化する財政支援措置を盛り込んだ軍需産業支援法案が26日、参院本会議で審議入りしました。日本共産党の山添拓議員は「軍需産業を『防衛力そのもの』と位置づけ、生産・技術基盤を強化する大軍拡実施法だ。空前の大軍拡で軍事企業に莫大(ばくだい)な利益を保証するものだ」と述べ、廃案を主張しました。(山添議員の質問要旨はこちら)
同法案は、国が採算のとれない軍事企業の製造施設を買い取り、設備投資や維持管理の経費を負担せずに経営することを可能にします。販路拡大のため武器輸出への助成も進めるとしています。
山添氏は、与党間で殺傷能力のある兵器の輸出を可能にするため「防衛装備移転三原則」の運用指針見直しを協議していることを挙げ、「三原則の運用が変われば、法案で支援する武器輸出の内容も変わるのではないか。答弁を拒んで採決後に拡大するのは、国会審議への愚弄(ぐろう)だ」と追及。浜田靖一防衛相は「具体的な内容を答えるのは困難だ」と述べるのみでした。
山添氏は「平和国家」の立場から紛争を回避するために武器輸出について慎重に対応するのが政府の認識だったと指摘。「軍需産業を守るために、『平和国家』の立場も武器輸出禁止もないがしろにするのは本末転倒だ」と強調しました。
さらに、防衛省と軍需産業による天下りや談合などの多発を受け、2007年に「公共調達の適正化」に関する財務相通達が出されたと指摘。「本法案は競争入札どころか、兵器製造企業を政府が直接支援するもので、汚職や腐敗を繰り返す危険は従来以上に高まる」と批判しました。
(「しんぶん赤旗」2023年5月27日付より)