緊急集会は「合理的」 参院憲法審で山添氏

質問する山添拓議員=31日、参院憲法審(しんぶん赤旗提供)

参考人、議員任期延長に疑問

参院憲法審査会は31日、憲法54条の参院緊急集会をめぐり参考人質疑を行いました。

長谷部恭男早稲田大学大学院教授は「緊急事態」における国会機能の維持を理由に、国会議員の任期延長を可能にする改憲議論は「任期を延長された衆院と従前の政権が長期にわたり居座り続ける緊急事態の恒久化を招きかねない」と警告。「衆院の総選挙を行うことが長期にわたって困難な状況が起こり得るのか」と疑問を呈しました。

土井真一京都大学大学院教授は、参院緊急集会は、緊急時から通常時へのレジリエンス(復元力)の高い仕組みだとして「合理的な制度だ」と強調しました。内閣を構成する首相や閣僚の多くが慣行上、衆院議員から選ばれることを挙げ、「(衆院議員が)自らの正当性を支えるため、早期の総選挙の実施を働きかけるレジリエンスになり得る」と述べました。

日本共産党の山添拓議員は、この間、緊急事態条項をめぐり自然災害、新型コロナ感染症の拡大、ロシアのウクライナ侵略を契機にした戦時対応と変遷してきた議論の状況について質問。長谷部氏は「憲法を変える以前に対処できることはないのかを十分に考える必要がある」と述べました。

(「しんぶん赤旗」5月1日付より)

日本共産党YouTubeチャンネルより
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