【首都圏発 ジェンダー平等と私】 日本共産党都議 米倉春奈さん

「しんぶん赤旗」首都圏版で新しく始まったシリーズ「首都圏発 ジェンダー平等と私」に米倉春奈都議会議員が登場しました。


自分も相手も大切にする

よねくら・はるな 1988年生まれ。東京都議3期。ジェンダー平等、性教育の充実、性暴力根絶などにとりくむ(しんぶん赤旗提供)

25歳で都議会議員に当選し、10年が経ちました。痴漢ゼロ実現のため被害調査アンケートを実施し議会で取り上げ、虐待などで家にいられない10代女性がおとなの性搾取のターゲットとなっている問題や性教育の大切さについて訴えてきました。

正直なところ私にとってジェンダー平等とは議員になる前からのテーマではありませんでした。なぜ、これらの問題を追及してきたのかというと、都議になり、政治も行政もあまりにも少女や女性の困難に応えていないことを知ったからです。私が周りで見てきた、恋人からのDVや性暴力の被害、就活での性差別などに、都政は何も対応していないことに衝撃を受けたからです。それで、機会あるごとに一つ一つ議会で取り上げてきました。

2022年にはフィンランドに自費で行き、中学の性教育を学びました。先生と生徒が意見交流し、体の発達や性について科学的な学びを積み重ね、子どもの疑問に対しておとなが正面から答えている様子を目の当たりにしました。自分と相手の体、尊厳を大事にすることを学ぶのは大切なことです。世界で進められている「包括的性教育」を日本でも子どもも大人も学んでいくことは、痴漢をはじめとした性暴力をなくすこと、あらゆる性暴力をなくすこと、戦争をする国の土壌をなくすことにもつながると思います。

ジェンダー平等がとても遅れた日本で、今までの習慣や価値観を問い直すには努力が必要です。学び続けることと、安全に自分の気持ちを考え、疑問を言える場をつくることは大切だと思っています。ある男性議員が言ったことが印象的です。「男というだけでこんなに優位だったんだなということに2年、3年、毎月学習会をしてきてようやく気づけた。差別がないと思っている人たちもいる。どうしたらそうした人たちと語り合っていけるだろうか」と。

今年度から、都議団が求めてきた痴漢撲滅プロジェクトがスタート。実態調査、キャンペーンの実施、都と民間が連携して取り組みます。自分も相手も大切にできる社会をみんなで話し合いながら実現したい。(聞き手 横田和治)

「首都圏発 ジェンダー平等と私」をシリーズで連載していきます。

(「しんぶん赤旗」2023年6月7日付より)

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