少子化の加速で子育て支援の強化が求められる中、学校給食費無償化が23区で広がっています。江戸川、板橋、文京各区が新たに9月から無償化に踏み出すことが明らかになりました。23区で何らの無償化も実施していないのは千代田、港、渋谷、目黒、中野、杉並、墨田の7区だけとなりました(実施検討含む)。
異常な物価高騰で食材費の値上げなど給食費にも大きな影響が出るもとで23区では4月実施に向け、葛飾区を皮切りに北、品川、荒川が小・中学校の完全無償化を相次いで発表。足立区は中学校の無償化を発表しました。4月の統一地方選でも学校給食費の無償化は、一大争点になり、その後も公表が相次ぎ、16区に広がりました(新宿・練馬両区は第2子以降)。
一方、23区と比べ財政力が弱い多摩26市では、第3子以降の無償化を実施した狛江市以外は、踏み出せていません(図参照)。「多摩格差」の新たな課題として浮上しています。日本共産党都議団は「住んでいる自治体で格差が生じることがないよう、都が教育費無償の立ち場に立ち、力を発揮することが求められている」として、都としての支援を求めています。
板橋区
板橋区は1日、今年9月から区立小・中学校の給食費を無償化すると発表。保護者負担を全額補助する経費を盛り込む補正予算案を区議会に提出しました。所得制限は設けません。日本共産党区議団が繰り返し求めてきたものです。
対象となる児童・生徒数は約2万5000人で、約9億400万円を計上しました。区の一般財源と国の地方創生臨時交付金を充てます。共産党区議団は本会議質問などで「子どもの生存権の保障として給食費は無償にすべきだ」と主張。区議選後の今年5月にも無償化を緊急要望しました。区は来年度以降の実施は明らかにしておらず、共産党区議団は継続するよう求めています。
江戸川区
江戸川区は今年9月から区立小中学校に加え、区立幼稚園の給食費も完全無償化します。補正予算案に盛り込まれたもので、6日に発表しました。共産党区議団が一貫して求めてきました。
対象となる区立小中学校の児童・生徒数は合計で4万7200人で、区立幼稚園の児童数は70人。経費は今年分で約13億7125万円、1年間で約23億円です。
同区の給食費は、小学生が月額4330円~5030円、中学校が月額5730円。第3子は現在も無償です。区立幼稚園は給食は未実施でしたが、無償で給食を実施します。
同区は13年に全国的にも先進だった給食費の3分の1補助を廃止。共産党区議団は復活に取り組み、区民運動と結んで給食費無償化も長く求めてきました。今年3月には予算修正案を提出しましたが、自民、公明など共産党以外の全会派が反対し、否決しました。
共産党区議団の大橋みえ子団長は「1日にも新日本婦人の会のみなさんが、給食費無償化を求める1635人分の陳情署名を提出され、要請行動を行いました。区民の声と議会論戦が区政を動かしました」と語りました。
文京区
文京区も8日の区議会での区長所信表明で、区立小中学校の給食費無償化を今年9月からの開始に向け準備すると発表。共産党区議団は過去6回の議員提案に加えて、今議会にも6会派共同で条例提案していました。
給食無償 16区に広がる 新たに江戸川、板橋、文京
この記事は約3分で読めます。