泡消火剤 20年にも3件漏出

横田基地 防衛省、情報隠しも

(写真)横田基地

 防衛省は21日、2020年に米軍横田基地(東京都福生市など5市1町)で泡消火剤の漏出事故が3件発生していたことを公表しました。同省はこれまで、10~12年にかけて、人体に有害な影響を与える有機フッ素化合物「PFAS(ピーファス)」を含む泡消火剤の漏出事故が3件発生していたことを明らかにしていました。

 防衛省によると、20年の漏出事故はいずれも消防車両からで、PFASは含んでいないとしています。発生場所はいずれも横田基地内で、基地外への漏出はないとしています。

 一方、10~12年にかけて発生した3件の事故について、防衛省は19年1月、米側から当該事故に関する報告書を入手していましたが、事実関係を初めて明らかにしたのは、今年6月29日の日本共産党国会・地方議員団による聞き取りの場でした。米側との調整や人的ミスで公表が遅れたと弁明していますが、事実上の隠ぺいといわざるをえません。

 これ以外にも、NHKが情報公開請求で米側から入手した報告書によれば、22年にも横田基地内で泡消火剤漏れが発生しています。防衛省が明らかにした6件は、氷山の一角にすぎないとの疑いが濃厚です。

 さらに、12年に発生したとする1件については、漏出が報告されたのが同年11月で、実際には1年以上にわたって漏出していた可能性があるとしています。

 あまりにもずさんな実態であり、日米地位協定の壁を乗り越えて、基地内での立ち入り調査が不可欠です。

(「しんぶん赤旗」2023年7月23日付より)

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