式典実行委が批判
東京都の小池百合子知事は18日の定例記者会見で、歴代知事が出してきた関東大震災(1923年)の朝鮮人虐殺追悼式典(9月1日)への追悼文を出していない問題について、「震災による極度の混乱下で犠牲となった方々も含めて、全ての方に慰霊する気持ちを表している」と述べ、今年も追悼文を出さない意向を示しました。
追悼式典は74年以降、毎年9月1日に都立横網町公園(墨田区)で開催。歴代知事が追悼文を送ってきましたが、小池知事は就任翌年の2017年以降、追悼文送付を拒否しています。
追悼式典実行委員会(宮川泰彦委員長)は17日、送付拒否を撤回するよう小池知事に求める声明を発表しています。
声明は、内閣府中央防災会議の専門調査会報告書(09年)でも「関東大震災時には、官憲、被災者や周辺住民による殺傷行為が多数発生した」「(犠牲者数は)震災による死者数の1~数パーセント」と記述したと指摘。
「災害で亡くなった人の死と、殺された人の死を『極度の混乱』という言葉で一つにくくって『追悼』することはできない」「知事が(東京都慰霊協会主催の)法要で朝鮮人・中国人の虐殺について明示的に言及し、哀悼の意を示したこともない」と小池知事の姿勢を批判し、震災100年の今年こそこれまでの姿勢を転換し、追悼文を送付するよう求めています。
(「しんぶん赤旗」8月19日付より)
小池知事の記者会見は、東京都HP「知事の部屋」/記者会見(令和5年8月18日)から視聴できます。