PFAS問題 調査と規制強化早く

共産党対策委が聞き取り

発がん性などが疑われる有機フッ素化合物PFAS(ピーファス)の問題をめぐり、日本共産党は7日、2回目となる「PFAS問題対策委員会」を国会内で開催し、小泉昭夫京都大学名誉教授から聞き取りを行いました。

小泉氏がこれまで実施してきた血中検査で、PFASの汚染源とみられる沖縄の米軍基地や大阪の空調大手ダイキン工場周辺住民の低出生体重児の割合が全国平均より高い結果が出ています。(グラフ)

グラフ(しんぶん赤旗提供)

小泉氏は、日本政府が「健康への影響は確定的な知見がない」とし、幅広い調査や、汚染源の特定に踏み込んでいないことを批判。既に米国科学・工学・医学アカデミーが5000本以上の論文を分析した上で、2022年に「ガイドライン」でPFASが人に及ぼす重大な疾患として、
▽抗体反応の低下
▽幼児及び胎児の成長の低下
▽腎臓がんのリスクの増加(成人)
などを挙げており国際的知見はあると指摘。環境中の有害物質などが子どもの成長発達に与える影響を調べるため環境省が行っている「子どもの健康と環境に関する全国調査(エコチル調査)」では、PFASも測定候補物質に挙げられており、これを活用すればPFASとの関連は検証できると強調し、早急な調査の分析と規制強化を訴えました。

小泉昭夫京都大学名誉教授を招いて行われたPFAS問題対策委員会=7日、衆院第二議員会館(しんぶん赤旗提供)

参加した山下芳生参院議員(同委責任者)は、PFASの影響を明らかにするため政府に求めていくべき具体的な調査は何かと質問。小泉氏は、「エコチル調査で因果関係を示すこと。また、妊娠出産への影響として一定地域での集団調査をやっていくべきだ」と話しました。

また小池晃参院議員が、体外に排出されにくいPFASについて、血中濃度の値が高い人への解決方法があるかとの質問に小泉氏は、「治せる可能性はかなり高いと言える」と発言。PFASの体外排出を促すような薬の開発に向けた取り組みが行われていると語りました。

(「しんぶん赤旗」9月8日付より)

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