都「樹木保全の具体案を」 外苑再開発の事業者に要請

樹木3000本を伐採するとして専門家や文化人らの批判が高まっている明治神宮外苑(東京都新宿区、港区)の再開発計画で、都は 12日、事業者の三井不動産、日本スポーツ振興センター(JSC)、明治神宮、伊藤忠商事に対し、秩父宮ラグビー場の移転建て替えに伴う樹木伐採の着手前に、樹木保全の具体的な見直し案を示すよう要請しました。

 要請では、事業者が新ラグビー場建設に向けた神宮第2球場の解体工事で、樹木の伐採許可を新宿区に申請していることについて、「環境影響評価書で事業者から示された既存樹木の保全などの検討結果が示されていない」と指摘。伐採の着手前に樹木保全の具体的な見直し案を示すよう求めるとともに、他の区域についても施設設計の工夫などで樹木の保全策を示すよう要請しています。

曽根はじめ都議

 13日の都議会環境・建設委員会で日本共産党の曽根はじめ都議は、ユネスコ(国連教育科学文化機関)諮問機関のイコモス(国際記念物遺跡会議)が外苑再開発の撤回を要請したことを紹介。「世論が急速に広がっている要因は、事業者と許可権者の知事が開発の実態について公開の議論を避け、都民抜きで済ませようとしていることだ」と指摘しました。

 曽根氏が、(1)都の要請文で「樹木保全の検討結果が示されていない」とした対象に神宮第2球場周辺の樹木や、新ラグビー場予定地の「建国記念文庫の森」を含むか(2)新ラグビー場予定地の伐採前に同地以外の地域も樹木保全策を示すよう求めるのか―をただしたのに対し、都環境局の長谷川徳慶担当部長は両方とも認めました。

 曽根氏は「これらの保全策は、事業者が方針を都審議会に報告し、審議することが当然必要だ」と指摘。事業者に徹底するよう求めるとともに、都が事業者とイコモスとの意見交換の場を設けるよう迫りました。

(「しんぶん赤旗」9月13日付より)

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