人体に有害とされる有機フッ素化合物PFASが、東京都多摩地域の米軍横田基地周辺から高い値で検出されている問題をめぐり、市民団体が住民に実施した血中濃度検査の結果が21日に発表されました。約半数が、米国で「健康被害の恐れがある」とされる指標値(1ミリリットルあたり20ナノグラム)を超えました。分析した原田浩二・京都大准教授は「水道水から摂取した可能性」を指摘し、行政が「水道水を検査する必要がある」と述べました。
市民団体「多摩地域のPFAS汚染を明らかにする会」は6月、650人分の検査結果を公表。今回、新たに141人分を検査したことで、多摩地域の30市町村すべてで検査をしたことになります。
横田基地の東側に値の高い自治体が集中しています。国分寺市では9割の人が指標値を超えるなど、全国的にも非常に高い値が出ています。
米軍は今年6月、2010~12年に横田基地でPFASを含む泡消火剤の流出事故があったと初めて認めました。基地外への流出は否定しています。
原田准教授は21日の会見で「基地が発生源の一つであることは間違いない」と話しました。
(「しんぶん赤旗」9月22日付より)