多数の樹木を伐採するとして専門家や文化人から批判が上がっている東京の神宮外苑再開発で、計画の見直しを事業者や都に求めるオンライン署名が22万4千人以上寄せられました。署名を呼び掛けた経営コンサルタントのロッシェル・カップさんが25日、盛山正仁・文部科学相宛てに要請しました。
要請では、ユネスコ(国連教育科学文化機関)諮問機関のイコモス(国際記念物遺跡会議)が再開発計画の撤回と都市計画決定の見直しを求める警告を発したことを強調。ラグビー場の移転建て替えで外苑の「建国記念文庫の森」が伐採されるとして、事業者の一つである独立行政法人日本スポーツ振興センター(JSC)を所管する文科省に対し、
▽イコモスの警告に真摯(しんし)に対応し、計画見直しをJSCに求める
▽ラグビー場は移転建て替えせず現施設を改修、保存する
▽神宮外苑のイチョウ並木を名勝指定する
―ことなどを要請しました。
要請後、記者会見したカップさんは、ラグビー場移転建て替え計画にもラグビー関係者が「ラグビー優先の施設でなくなる」と批判していると紹介。「建て替えは大量のエネルギー消費と二酸化炭素排出につながる。既存の施設を改修して使い続けるのが、環境によい選択だ」と述べました。
(「しんぶん赤旗」9月26日付より)