❚ 「外苑伐採延期」を受けて
事業者が9月12日の東京都の要請を受けて、新ラグビー場敷地の既存樹木の伐採着手前までに、樹木の保全に関する具体的な見直し案を示すとしたことは、神宮外苑の樹木伐採・再開発の中止・見直しを求める世論の高まりを、都も事業者も無視できなくなっていることの表れです。
同時に、事業者が8月に提出した伐採許可申請書では、既に新ラグビー場敷地に含まれる「建国記念文庫の森」の高・中木の伐採・移植予定は来年1月以降としており、都はこれを踏まえて「要請」したと思われます。都と事業者の真剣さが問われています。
事業者は、ユネスコ(国連教育科学文化機関)諮問機関のイコモス(国際記念物遺跡会議)のヘリテージ・アラート(文化遺産危機警告)に対しても反論の見解を示し、再開発そのものを見直す予定はありません。このままでは建国記念文庫の森は伐採され、事業者自身、状態悪化を認めているイチョウ並木も保全される保証はありません。
高層ビル建設は「都市計画公園区域の外」だと開き直っており、都市計画公園区域を削除した都の責任がいよいよ厳しく問われています。
日本共産党都議団は引き続き、多くのみなさんと力を合わせ、神宮外苑の樹木伐採・再開発の中止、大幅な見直しへ奮闘する決意です。
(しんぶん赤旗2023年10月1日付より)