都民に寄り添う都政こそ都議会 代表質問に白石たみお都議

 都議会第3回定例会は9月26日に本会議を開き、小池百合子知事の所信に対する各派代表質問、翌27日は本会議一般質問を行いました。代表質問には日本共産党から白石たみお都議が立ち、32道府県が9月議会に物価高騰対策などの補正予算を提出しているのに、小池知事は所信表明で一言も触れず補正予算も提出しなかったことに、「都民の暮らしに無関心な姿勢の表れだ」と厳しく指摘。来年の都知事選で「都民に寄り添う知事を誕生させるために全力を尽くす」と表明しました。

暮らし営業守る対策を提案

 白石都議は都民の暮らし・営業を守る課題として、教育費の負担軽減、高齢者福祉の充実、賃上げや中小企業支援を取り上げ、小池都政をただすとともにさまざまな提案を行いました。

給食費の無償化
 中でも喫緊の課題として挙げたのが学校給食費の無償化です。23区全区が独自に無償化を決め、保護者から歓迎される一方、多摩・島しょ地域では2市5町村にとどまっています。東京都市長会は、無償化への補助を都の来年度予算への「最重点要望」にあげ、23区でつくる特別区長会も「財政措置を講じる」よう求めています。
 白石都議はこうした無償化を巡る動きを紹介した上で、「全ての地域で給食費無償化実現への財政支援に踏み出すべきだ」と提案。小池知事は「区長会・市長会から要望があったことは承知している」としながら、「給食費は保護者が負担すべき」と従来の答弁を繰り返しました。
 都がこうした姿勢に固執しているために、特別支援学校など都立学校に通う児童・生徒は、北区や品川区など都立学校を対象に含める一部の区を除いて無償化の対象外で、格差が問題になっています。
 白石都議は、都立学校の給食食材費などの総額は約14億円で、すでに助成されている就学奨励金などを除くと8億円ほどで実現できるとして「ただちに実施すべきだ」と迫りました。

教育費の負担軽減
 つぎに挙げたのが、教育費の負担軽減です。日本の教育機関への公的支出は、OECD(経済協力開発機構)加盟国で最低水準です。日本も批准している国際人権規約は、初等教育から高等教育まで無償にしていくことを定めています。
 白石都議は都の私立中学校に子どもが通う世帯への10万円助成の所得制限の撤廃とさらなる教育費負担の軽減、私立高校の授業料助成の拡大と所得制限の撤廃、都立高校授業料の無償化を求めました。さらに都立大学の授業料無償化の所得制限と都内の学生限定の撤廃を提案しました。
 小池知事は「大胆に教育費の負担軽減を図ることが重要」と答えましたが、拡充するとの答弁はありませんでした。
 9月から受け付けが始まった18歳以下の子ども1人当たり年額6万円を支給する「018サポート」。保護者から喜ばれる一方、手続きの煩雑さに加え、生活保護利用世帯では収入認定され保護費が削減されることが分かりました。
 白石都議は収入認定から除外するよう要求。佐藤智秀福祉局長は「改めて国に要望した」と答弁しました。

高齢者の社会参加
 白石都議は高齢者の暮らしは深刻になっているとし、今年度中に改定する「高齢者保健福祉計画」に医療費の負担軽減など高齢者の暮らし支援を位置付けるよう提起。高齢者の社会参加にとって重要だとして、共産党が繰り返し求めてきた補聴器の購入費補助を巡って、都が実施した都内全自治体の調査結果について質問。2018年度の2自治体から22年度13区1市1村に拡大していることが分かりました。
 白石都議は補聴器購入費補助について、都の包括補助(都が2分の1)では自治体の財政負担が重いために補助額が低く抑えられ、多摩地域では実施自治体が少ないなどの課題があると指摘。包括補助から都の個別補助に変え、補助率を引き上げるなどの拡充を求めました。
 佐藤福祉局長は「実施していない区市町村に対し、補助制度の活用を働きかけていく」とし、「区市町村や専門家など関係者の意見も聞きながら効果的な施策を検討していく」と答えました。

コロナ拡大に備え
 白石都議は都立・公社病院が独立行政法人化されてわずか1年で、小児総合医療センターのER病棟休止など、行政的医療の後退が起きていると指摘。対応が困難な患者を含めコロナ患者の積極的受け入れなど行政的医療の役割発揮、統廃合が進められてきた保健所の役割の再評価と増設を含めた拡充を求めました。
 雲田孝司保健医療局長は9月現在、都立病院の休止病棟が工事中を除いて16病棟に上っていると明らかにしました。

性暴力は人権侵害
 白石都議は大手芸能プロダクション「ジャニーズ事務所」創業者の故ジャニー喜多川氏による長年の性加害問題や区立中学校の校長が児童ポルノ禁止法違反の容疑で逮捕(その後、準強姦致傷の疑いで再逮捕)されたことなどにも触れ、「おとなから子どもへの性暴力・性犯罪は、子どもの人権を踏みにじり、人生に大きな打撃を与える」と強調。小池知事の認識と都の対応をただしました。
 小池知事は「子どもへの性犯罪・性暴力は重大な人権侵害」だとし、「子どもの人権が守られる社会の実現に向けて取り組んでいく」と答えました。
 白石都議は「性は人権そのものであり、性暴力は重大な人権侵害だ。そのことを認識するためには、子どももおとなも学び直す必要がある」とのべ、国際的に進められる「包括的性教育」を例示しました。

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