樹木伐採に異議あり 東京外苑・日比谷など再開発で講座

「樹木伐採に異議あり」。明治神宮外苑(東京都新宿区・港区)と日比谷公園(千代田区)の再開発にともなう樹木の伐採について考える公開講座が14日、千代田区の明治大学で開かれました。“都市再生”の名の下に各地で進む、自然、文化、歴史を壊す大規模再開発事業への批判が相次ぎました。主催は「平和と人権を希求するオール明治の会」です。

 明治神宮外苑の再開発に抗議し、都を相手に訴訟を起こしたロッシェル・カップさんが講演。100年かけてつくられた森を伐採し、超高層ビルを建てる計画は「昭和のスクラップ・アンド・ビルドの発想。非常に無駄が多く、持続可能性にも反する」とのべました。

 日比谷公園の元管理所長の髙橋裕一さんは、日比谷公園の再整備計画について「都心の貴重なオアシスと文化財を破壊するものだ」と話しました。

 原科幸彦・千葉商科大学学長は「各地の都市公園が開発の下に危機にさらされている」と発言しました。

 藤井英二郎・千葉大学名誉教授は、温暖化とヒートアイランド現象が激化するなか、都市の樹木は「きわめて重要。伐採は暴挙だ」と述べました。

 大方潤一郎・東京大学名誉教授は「都市計画公園は私有地であっても、その空間はパブリックなものだ」。吉永明弘・法政大学教授は「文化的価値があるものは、所有者が好き放題できるものではない」。ホルヘ・アルマザン・慶応義塾大学准教授は、企業主導の都市づくりによって「東京は、どこにでもある特徴のない街」になり「多様な魅力が失われている」と述べました。

 野中郁江・明治大学名誉教授は、都と民間大手デベロッパーの癒着構造を批判しました。

 再開発問題の住民訴訟にかかわる大城聡弁護士は、再開発事業の多くは民間事業者と行政との間だけで「秘密裏に進められている」と指摘。「市民を含めたオープンな話し合いの場をつくることを諦めてはいけない」と語りました。
(しんぶん赤旗2023年10月15日付より)

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