東京外環道陥没3年 調布市民ら集会

❚ 大深度地下使用法は廃止を

 東京都調布市の住宅街で東京外郭環状道路の地下トンネル工事による地表陥没が発覚してから3年になるのを前に15日、被害住民らが集会を開き、「国と高速道路会社(NEXCO)は被害住民に謝罪し、補償を」と訴えました。

陥没事故発覚から3年で住民らが開いた集会=15日、東京都調布市

 「外環被害住民連絡会・調布」の菊地春代さんは「本線工事は裁判所の決定で止まっているが、事業者は地盤強化として住宅を解体し、野川沿いの道路で発見された穴を無断で埋め戻していた事実(「しんぶん赤旗」日曜版15日号報道)も発覚した。事業者は住民への謝罪もなく、住民を分断している。全ての被害者の救済を」と訴えました。

 NPO法人市民科学研究室の上田昌文代表と、礒野弥生・東京経済大学名誉教授が講演しました。

 上田さんは「事業者は被害の全容を認めず、工事再開のための地盤補修工事で、街壊しや騒音振動など新たな被害が生じている。『地上に影響しない』との前提が破綻した大深度地下使用法は廃止が必要」と述べました。

 礒野さんは「陥没事故で住民は、健康な環境に生活する権利を侵害された。環境基本法では、人類存続の基盤である環境を人間の活動の負荷で損なわないよう、国や事業者の責務を定めている。住民の権利を主張し、環境影響評価のやり直しを求めていく必要がある」と強調しました。

 集会には、日本共産党の里吉ゆみ、曽根はじめ両都議、岸本直子市議ら超党派の議員が参加しました。
(しんぶん赤旗2023年10月16日付より)

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