マイナ保険証への一本化による保険証廃止に反対する世論と運動をさらに広げようと、日本共産党都委員会は11日、各地で集めた署名の「国会提出行動と省庁交渉」を衆院第一議員会館で開きました。
宮本徹、笠井亮両衆院議員と、山添拓、吉良よし子両参院議員、谷川智行、坂井和歌子両衆院比例予定候補が参加。各地区委員会の参加者が、保険証廃止反対署名計1万735人分と、軍拡反対などの署名を合わせて計2万4316人分を、国会議員らに手渡しました。
宮本徹衆院議員は、「署名をはじめ、草の根からの世論が、政府を追い詰め、マイナ保険証を持たない人全員に、資格確認書を交付すると言わざるを得なくなった。しかし、どれくらいの費用がかかるのかも不明で、5年ごとの更新という負担も増える。だったら、今の保険証を残すのが、一番合理的な道だ」と強調しました。
都議会から、和泉なおみ、とや英津子両都議が参加し、和泉都議は「現行の保険証を廃止することは、国民皆保険の根幹にかかわる。廃止させないための論戦を、都議団も全力で取り組みたい」と決意を語りました。
各地域からの参加者は、「便利になるなら良いのでは、という宣伝がかなりされている。実態を宣伝などで訴えたい」(大田区)「保険証廃止の中止を求める陳情が、僅差で市議会で採択された。地方からも声をあげていきたい」(調布市)などと話しました。
解除の検討を表明
省庁からの聞き取りでは、来年度予算の概算要求での関連経費の状況や、情報の誤登録や流出を防ぐ対策の現状を聞きました。
医師でもある谷川氏は、「多くの医療現場は、マイナ保険証だけで大丈夫とは思っていない。窓口に事務職の人が張り付いて、(他人の情報が紐づけられているなど)命にかかわるような、ミスが起きていないか、確認している」と現状を説明し、保険証の存続を訴えました。
また、自らの意思でマイナンバーカードを申請することが前提となっていることについて、「疾病などで、自らの意思表示ができない場合もある。その場合は(費用や負担のかかる)成年後見人を利用しなくてはならないのか」と質問。総務省は、「状況によって、丁寧に対応するよう自治体に求めている」として、成年後見人をつけることを否定しない、あいまいな回答に終始しました。
マイナ保険証を申請したものの、不安を覚えるなどして、機能を解除することを本人が希望した場合について、省庁側は今後、解除を受け付けることを検討すると表明しました。