❚ 公選法違反疑い 違法の認識語らず
東京都江東区の木村弥生区長(58)は26日、区役所で記者会見し「これ以上区政を停滞させてはならない」と述べ、辞職する意向を表明しました。4月の区長選で投票を呼び掛けるインターネット有料広告を出した疑いがあるとして、東京地検特捜部が24日、公職選挙法違反容疑で区長室などを家宅捜索していました。
木村氏などによると、広告は木村氏への投票を呼び掛ける内容で、4月の区長選期間中に5日間掲載。「木村やよいに投票してください」とのテロップを付け、木村氏自身も出演。広告は約38万回再生され、費用は約14万円かかりました。
会見で木村氏は、違法性を認識していたかどうかについて「捜査の段階なので詳しいことはお話しできない」と述べるにとどめました。区によると、木村氏の辞職願は会見後に区議会議長に提出され、受理されました。
木村氏は2014年衆院選で自民党から出馬し、比例北関東ブロックで初当選。衆院議員を2期務め、21年衆院選で落選。今年4月の区長選で初当選していました。(時事)
❚ 党区議団表明 区政混乱の責任重い
日本共産党東京都江東区議団の大つきかおり幹事長は26日、木村弥生区長の辞職表明に対し、「公正な選挙を汚し、区民の信頼を著しく失墜したことは許されない。前代未聞の事態で区政に混乱をもたらした責任は極めて重大だ」とのコメントを発表しました。
大つき氏は、党区議団が9月区議会で議会への説明と謝罪、区民の信頼回復と再発防止を求めたこと、今月の各会派幹事長会や議会運営委員会でも議会の見解表明を主張したことを強調しました。
木村区長が辞職会見で、捜査中であることを理由に、事件に関する新たな説明をしなかったことについて「区長自ら真相を明らかにし、区民に説明すべきだ」と指摘。「党区議団は区民の負託に応え、改めて公正、公平な区政の実現に全力を尽くす」と表明しました。
(しんぶん赤旗2023年10月27日付より)