くらし支える対案示す 必要なのは反省と転換

❚ 参院本会議 小池書記局長が代表質問

 日本共産党の小池晃書記局長は26日、参院本会議で代表質問を行いました。岸田政権の経済無策や大軍拡の危険性を追及。くらし・経済でも平和でも実効ある対案を示して政治を大本から切り替えるよう迫りました。

 「必要なのは『反省、反省、そして転換』ではないか」。岸田首相が所信表明演説で「経済、経済、経済」と連呼した発言を引き合いにこう迫った小池氏。岸田首相が「変革を果たす」と大見えを切った「コストカット型経済」を進めたのは自民党だとして、その責任をただしました。

 岸田首相は「長引くデフレ等を背景にコスト(カット)型経済が続いてきた」と述べるだけで反省を語りませんでした。

 小池氏は、最低賃金を早急に時給1500円にする党の提案を示すとともに「男女賃金格差の是正も急務だ」と強調しました。日本経団連の役員企業の女性の賃金が男性の4~8割で、非正規雇用の7割が女性であることを示し「原因は、男性には長時間労働、女性には家事・育児・介護という性別役割分業を前提とした雇用慣行にある」と追及。男女賃金格差是正と、非正規ワーカーに焦点をあてた待遇改善に踏み出すよう求めました。

 岸田首相は「性別役割分担意識は賃金格差の要因の一つ」と認めましたが、具体策は示しませんでした。

 小池氏は、10月から始まったインボイス制度で、年間15万円もの負担が加わったフリーランスなどから「1カ月分の収入が消える」との悲鳴があがっていると紹介。「反対の声に耳を貸さずインボイス制度に固執するのは、さらなる消費税増税のための地ならしではないか」と批判し、消費税5%への減税とインボイス制度廃止を迫りました。岸田首相は「廃止は考えていない」と背を向けました。

 小池氏は、トラブルが続出しているマイナンバーカード保険証の利用率が下がり続け、8月は4・7%だったと指摘。医療機関の87・8%が現行の健康保険証の存続を求めた調査結果を示し「首相に『聞く力』が残されているのなら、現場の声を聞くべきだ」と迫りました。岸田首相は保険証廃止の時期について「さらなる期間が必要と判断された場合は必要な対応を行う」と述べるにとどめました。

 「オールジャパンで進める」と岸田首相が述べた大阪・関西万博について、小池氏は工事が遅れ建設費用が膨れ上がり「すでに破綻している」と批判。カジノを中核とする統合型リゾート(IR)推進のためのインフラ整備を、万博を口実に公費で進めようとしていると告発しましたが、岸田首相は「IR整備は万博とは別のプロジェクト」などと開き直りました。

 さらに小池氏は「税金の使い方が間違っている」として、軍事費が岸田政権発足後2年で2・5兆円も増加したと批判。2・5兆円あれば義務教育の給食費無償化や高校授業料の完全無償化、大学入学金の廃止、学費半減ができるとして「くらしも平和も財政も危険にさらす大軍拡は中止を」と求めました。
(しんぶん赤旗2023年10月27日付より)

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