働く人コスト扱いやめよ 山添議員、ヤマト解雇撤回迫る

❚ 2023.11.1 参議院予算委員会

 日本共産党の山添拓議員は1日の参院予算委員会で質問に立ち、「コストカット型経済からの転換」を掲げる岸田文雄首相に対し「労働者をコストカット」する政治の転換を迫りました。消費税減税や男女賃金格差の是正を求めるとともに、ヤマト運輸の配達員の解雇撤回を迫り、非正規ワーカー待遇改善法を提案しました。(論戦ハイライト

 山添氏は、法人税減税という財界の税のコストカットや、賃金のコストカットを進めてきた自公政治の責任を追及しました。

 非正規雇用の7割を占める女性の低賃金を指摘し、女性の仕事を家計補助とみなし、非正規・低賃金に押し込む現状こそ変革が必要だと迫りました。

 さらに「進行中の問題でも非正規の女性が困難に直面している」と指摘。ヤマト運輸が小型荷物のメール便(クロネコDM便)を日本郵便に移管するとして、パート従業員や配達員に来年1月の契約終了を通告した問題を告発しました。

 パート従業員については、労働組合が団体交渉をしたところで解雇撤回をさせたものの、メール便の配達員は個人事業主だとして会社は団体交渉にも応じていません。

 山添氏は「会社が個人事業主と主張すれば団交を拒めるのか」と質問。そろいのユニホームを義務づけられ、配達ルートをGPSで管理され、全く同じ仕事をするパート従業員もいるとして「同じように働く人が会社の呼び方次第で個人事業主になったり労働者になったりするのが許されるか」と迫りました。

 武見敬三厚生労働相は「各労働局の対応が求められる」と答弁。山添氏は「個人事業主というのは会社が偽装したものだ」として、厚労省が指導するよう求めました。

 また「実態は労働者なのにヤマトが個人事業主と扱ってきた理由をなんだと思うか」と追及。「事案を承知していない」と述べるだけの岸田首相に対し、「労働者をコストカットするためだ」と述べ、労働者としての保護の拡大を迫りました。

 しかし岸田首相は「偽装があるかないかを含めて詳細を承知していない」と繰り返すばかり。山添氏は、日本共産党が「非正規ワーカー待遇改善法」を提案したことも示し「働く側は使う側よりも弱い立場にある。きちんと保護される制度をつくるべきだ」と重ねて求めました。
(しんぶん赤旗2023年11月1日付より)

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