外苑再開発 審査やり直し対話を

❚ 原純子議員 イコモス警告巡り 都議会委

 日本共産党の原純子東京都議は7日の都議会環境・建設委員会で、多数の樹木を伐採する神宮外苑再開発計画に、ユネスコ(国連教育科学文化機関)諮問機関のイコモス(国際記念物遺跡会議)が警告を発したことを取り上げ、「都審議会での審査をやり直し、事業者とイコモスとの直接対話の場をつくるべきだ」と求めました。

 原氏は、都が2月に再開発を施行認可して以降、事業者の環境影響評価書にイコモス国内委員会が樹木の活力度など「事実認定に多数の誤りがある」と指摘していると紹介。

 事業者が9月に示した見解で外苑の樹木の樹齢について「確定できる記録はない」としたことに対し、イコモスの研究者が現地調査だけでなく航空写真や歴史的文献を踏まえて樹齢を推定したと示し「事業者は森の成り立ちに敬意も努力も感じられない」と批判しました。

 新ラグビー場建設で伐採・移植する「建国記念文庫の森」の植物群落調査についても、イコモスが「事業者が単一の群落としたのは誤り」と指摘したことを紹介。100年前の森創建時に林学者が「多様な植物が100年かけて自然林に遷移する」と予想したことを示し、「新ラグビー場の建設で伐採されたり、日陰になって枯死したりして樹木が危機に瀕(ひん)する」と強調しました。

 都環境局の長谷川徳慶担当部長は「審議会では予測・評価に影響を与えないと判断した」と繰り返しました。

(しんぶん赤旗2023年11月8日付より)

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