❚ 住民ら調査
東京・多摩地域の地下水が人体に有害とされる有機フッ素化合物PFAS(ピーファス)で汚染されている問題で、住民と学者が地下水のPFAS濃度を調べ、結果を1日に発表しました。米軍横田基地(福生市など)の南東側では最高濃度1リットル当たり3102ナノグラムを検出。国の指針値の62倍に当たります。
調査は、市民団体「多摩地域のPFAS汚染を明らかにする会」と京都大学の原田浩二准教授が昨年12月から今年9月にかけ実施。地権者の了解を得て井戸水や湧水、河川水を採取・分析し、立体的な地下水汚染の分布を公表しました。132の井戸のうち36カ所で、環境省の地下水の暫定指針値1リットル当たり50ナノグラムを超えました。
PFASの一種で、泡消火剤などに使われてきた「PFOS」は、立川市では浅い井戸から高く検出されました。一方、東側の国分寺市などでは深井戸で高く、地下水脈に沿い東側へ移動していると推測されます。同じくPFASの一種で、代替の泡消火剤に含まれる「6:2FTS」は、地下水では立川市でのみ検出されました。
原田氏は「基地の南東にかけて最も高い濃度の地点が見られた。この領域に発生源があると考えないといけない」と話し、米軍への情報公開請求にふれ「日本政府も情報を要請していくことが重要」と述べました。
「明らかにする会」は、行政による汚染源調査や子どもを対象にした血液調査が必要との声明を出しました。
(しんぶん赤旗2023年12月2日付より)