いさ氏当選有効 中野区議選 高裁が判決

❚ 高裁が判決 投票者の意思尊重

 4月の東京都中野区議選で日本共産党の、いさ哲郎氏(52)の当選を無効とした都選挙管理委員会の裁決を取り消すよう、いさ氏が求めた訴訟の判決が14日、東京高裁でありました。谷口園恵裁判長は、都選管が無効とした、いさ氏への投票を有効と認め、都選管の裁決を取り消し、いさ氏を当選人と認める判決を言い渡しました。

いさ哲郎区議当選無効取り消し裁判「勝訴」のお知らせ(中野地区委員会作成)

 区議選では、いさ氏と0・415票差で落選した次点者(参政党)が、いさ氏の当選無効を訴え、都選管は8月、いさ氏への1票を無効として、いさ氏の当選を取り消す裁決を出していました。

 この日の高裁判決は、選挙人の投票意思を推定すると「投票の記載が候補者の氏名と一致しない投票でも、記載が候補者の氏名の誤記と認められる限りは、候補者への投票と認めるべきだ」と強調。

 都選管が無効とした「いさしんいち」票についても、(1)「いさ」氏や類似の氏の候補者が他におらず、「しんいち」名の候補者がいない(2)いさ氏が選挙ポスターや情報紙で氏を大きく表示した―ことを示し、いさ氏への投票と認定しました。

 一方、次点者の票とされた中に、他の候補者の氏と混記した疑問票が見つかった問題については、次点者への票と推定。

 この結果、いさ氏の得票数が次点者の得票数を0・415票上回るとして、都選管の裁決を取り消しました。

 いさ氏は記者会見で「ひらがなの『いさ』でずっと活動し選挙も3回してきたので、判決が出て本当によかった」と語りました。

 いさ氏代理人の久保木亮介弁護士は「投票者の意思をできるだけ有効とする最高裁の判断にも、いさ氏の実際の選挙活動にも目配りし、民主主義の観点からも大事な判決」と述べました。

(しんぶん赤旗2023年12月15日付より)

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