都議会の日本共産党(19人)、ミライ会議(4人)、生活者ネット(1人)、グリーンな東京(1人)の4会派は8日、公立小中学校、都立学校の給食費を無償化する条例案を発表しました。都立の小中学校・特別支援学校・夜間定時制高校の給食を無償化するとともに、小中学校などの給食費を無償化する区市町村に、費用の全額を補助するもの。必要経費は就学援助や就学奨励金を除き約359億円を見込んでいます。開会中の都議会定例会に提出します。
区市町村に全額補助
学校給食費の無償化について都はこれまで、日本共産党都議団の求めに対し「国の責任と負担によるべきもの」「各自治体の判断により実施されているもの」と、繰り返し答弁。議会では無償化を求める都民の請願に、自民党や都民ファーストの会、公明党などは反対してきました。
しかし物価高騰と子育て支援拡充を求める都民世論や運動に押され、23区を中心に無償化が広がるなかで、自民、都ファ、公明が12月議会開会前日に小池百合子知事に無償化を実施する自治体を支援するよう要望。知事は5日の所信表明で「学校給食費の負担軽減に大胆に踏み出す」と発言するに至りました。
記者会見で共産党の斉藤まりこ都議は「(知事の発言は)都民の運動と議会の論戦による重要な一歩」と評価する一方、「都の負担は2分の1との報道もあり、財政力の厳しい市町村では実現できるか不透明」と指摘。
その上で条例案について「全区市町村で実施できるよう、学校給食費を無償化する区市町村に都が全額補助する。都立学校については、都の責任で全額負担する」としました。
ミライの米川大二郎都議は「2分の1では自治体にとって大きな負担。条例化すれば、自治体は財政負担なく実施ができる。恒久的な給食無償化が可能になる」、グリーンの漢人あきこ都議は「給食無償化は多摩格差の象徴的な問題。条例で都の全額負担になれば、実現への確かな力になる」と強調しました。
学校給食費の無償化を巡っては、23区は全区で無償化を表明し、10を超える区では都立特別支援学校に通う子どもの給食費も、区の負担で無償化する一方、多摩や島しょの市町村では、8市町村にとどまっています(地図参照)。
都は給食費については2023年度、都立学校で国の交付金を活用して、1食当たり30円の補助にとどまっていました。
東京都市長会は来年度の都予算への最重点要望として、「居住する自治体によって大きな教育格差を感じることがないよう、給食費の全額補助を国が実施するまでの間は、都が財政支援すること」と要望しています。