「百年の杜」守って
2024年は都知事選(6月20日告示、7月7日投票)がある年です。都政史上最高の都税収入が続いているのに、お金の使い方は都民の暮らしには冷たく、大企業のもうけにつながる事業には手厚い小池百合子都政の“経済界ファースト”の姿勢が、暮らし、営業、環境など、あらゆる分野で都民を苦しめています。一方、「政治とカネ」問題で政治不信が高まる中、「都民に寄り添う都政に変えよう」との声と運動は、かつてなく広がっています。今年は共同の力で都政を変える大きなチャンスです。都政に自身の願いを託す各分野の声を紹介します。
抜けるような青空に、黄金色に輝くイチョウ並木が映えます。晩秋の季節、神宮外苑のイチョウ並木通り(港区)は、この風景を目当てにやって来る国内外の観光客であふれます。
ところが近い将来、三井不動産などの事業者による再開発によって存続が危ぶまれることが、専門家の調査で分かりました。イチョウの他にも歴史的に貴重な木を含む多くの樹木を伐採し、超高層ビルなどを建設する再開発に対し、「百年の杜」を守る都政にとの声は、大きくなるばかりです。都はこうした声と運動に押され、事業者に「具体的な樹木保全策」を求める要請を出さざるを得なくなり、伐採に待ったがかかった形です。
そうした中、日本共産党の東京都委員会の気候危機打開委員会と日本民主青年同盟東京都委員会は、この問題をもっと多くの人に知ってもらいたいと、原田あきら都議の案内によるフィールドワークを企画(12月9日)。SNSで知ったという人など、約30人が参加しました。
現地を案内した原田都議は超高層ビルを建設する事業者の計画を説明。「伊藤忠商事の東京本社ビルは現在の高さ90㍍の2倍以上、190㍍になります」と指さすと、参加者がイチョウ並木越しのはるか上を、目を細めて見上げました。
再開発では神宮球場を秩父宮ラグビー場の敷地と交換し、4列のイチョウ並木からわずか6㍍の距離に新築。ラグビー場の門前に現在植えられている18本のイチョウは、移植する計画です。
原田都議は、当初計画では伐採予定だった18本が、世論に押されて事業者が移植を言い出したことに、根が深く張った大木を移植するのは困難とする専門家の見解を紹介。参加者はスマートホンのカメラを向けて写真を撮りました。