石川県の能登半島で元日に、最大深度7を観測する地震が発生し、死者数は200人を超え、行方不明者も多数にのぼるなど、懸命の捜索が続くものの被害の全容はいまだにつかめない状況です。石川県など北陸地方の被災地では今も水道・電気などライフラインの寸断や住宅倒壊、集落の孤立が広がるほか、必要な生活物資が不足しており、政権の対応の遅さにも厳しい批判の声があがっています。日本共産党は地震発生直後に、対策本部を立ち上げ、現地で同党の地方議員などが奮闘するほか、都内でも救援募金や、政府や行政機関への申し入れなど支援の取り組みを開始しています。
死者二百人超、全容つかめず
有楽町駅前(千代田区)では4日、衆院比例東京予定候補らが予定していた新春街頭宣伝を急きょ切り替えて、救援募金への協力を呼びかけました。
田村智子(同党副委員長・参院議員、衆院比例東京)、宮本徹(衆院議員、衆院比例東京)、谷川智行(衆院比例東京)、坂井和歌子(衆院比例東京)、中野けん(衆院東京1区)、ほその真理(衆院東京2区)の各氏と、原田あきら都議らが参加しました。
田村氏は、元旦に富山県の親戚の家を来訪していた笠井亮衆院議員が、地震の発生を受けて急きょ、大型のポリタンクに水を入れて被災地に届けるなど、国会議員や地元組織が支援活動や被害調査をすぐに開始したことを報告。トイレが使えない、避難所に支援の物資が届かないなど現地から届いた声を紹介し、「これでは二次被害を生みかねない。この街頭宣伝と同時刻に内閣府に対して、一刻も早く物資を届けるよう要請している。被災者への支援を抜本的に強める必要がある」と訴えました。
阪神淡路大震災以来、大規模な災害が繰り返されても生活や生業の再建に冷たい態度を取り続けてきた自民党政治を批判し、「政治は変えることができる。苦しみや苦難に手を差し伸べるのが政治の役割だという声をあげていこう」と呼びかけました。
宮本氏は、被災地にある北陸電力志賀原発と東京電力柏崎刈羽原発で深刻なトラブルが起きたことに触れ、「大きな地震のたびに、私たちは原発のことまで心配しなくてはならないのは、異常なことだ。地震列島で安全な原発はない」と、地震が活発化している地域の原発の早急な廃炉を求めました。
医師でもある谷川氏は、「私自身も現地からの支援要請に応えられるよう準備を始めている。避難所での感染症のまん延や災害関連死、健康被害が心配され、対策が必要だ」と強調。年末年始の生活支援の現場に16年間にわたって駆け付けていることにも触れ、「物価高騰で暮らしが立ち行かない人が急増し、生活の底が抜けたような実態がある。これは、人々の暮らしを犠牲にする政治による災害だ」と告発しました。
坂井氏は、コロナ禍の際に、前年に出産によって収入がなかったため持続化給付金の給付を受けられなかったという声を政府に届け、制度を改善させたことを紹介し、「親戚や自身が被災した方もおられると思います。皆さんの困難を私たち日本共産党に聞かせてください。小さな声でも集まれば、必ず政治を動かす力になります」と呼びかけました。
日本共産党は同日、新宿駅前で志位和夫同党委員長、小池晃書記局長、国会議員団が募金箱を持って宣伝するなど、全国いっせいに救援募金活動に取り組みました。
日本共産党は集めた救援募金は政治活動の資金と区別し、全額を被災者救援や被災自治体の義援金に充てています。
共産党都議団「要望を迅速に」
日本共産党都議団は4日、能登半島地震の被災県への都の支援を小池百合子知事あてに申し入れ、被災地のニーズをしっかりつかみ、要望に迅速に応じることを強く求めました。大山とも子、藤田りょうこ、池川友一の各都議が行い、総務局の保家力総合防災部長らが応対しました。
「現瞬間、最優先にすべきは、人命救助と被災者支援」だとし、帰省中の被災者も多くいることから、都として被災地の実態・要望のいっそうの把握に努め、人員の派遣をはじめ、必要な支援を迅速に行うよう求めました。
具体的には▽食料や飲料水など求められている救援物資を被災者の手元に届けきる支援▽不足しているトイレ、テントや段ボールベッド、生理用品などの支援▽女性や子ども、障害者なども安心して過ごせる支援▽コロナやインフルエンザなどの感染症対策への支援▽福祉避難所の運営などへの支援―などを要望。避難所でも尊厳を保ち、健康で安全に過ごせるよう、都のノウハウを活用するよう強調しています。
また避難の長期化に伴う健康問題の深刻化が憂慮されていることから、医療・介護スタッフなどの専門家の派遣・支援として、透析やインスリンなどの糖尿病の治療薬、精神保健など、災害時でも継続的な治療が必要な分野への支援などを急ぐよう提起しています。
さらにライフライン・インフラ復旧の支援や被災地からの広域避難者受け入れに備え、活用可能な都営住宅や公共施設、民間の居住・宿泊施設の確保を求めています。