日本共産党東京都委員会と都議団、各区議団は15日、物価高騰によって都民生活が深刻化するもとで、高すぎる国民健康保険料を引き下げるために、あらゆる努力をするよう東京都特別区長会に申し入れました。
都は1万円超負担増を試算
都は昨年11月に2024年度の国保料(税)について、一般会計からの独自繰り入れがない場合、19万1496円となり、今年度比で1人当たり1万640円(5・9%)もの負担増になるとの試算を公表。都が実施してきた保険料負担抑制の激変緩和策も来年度は実施しないとしました。
同時に都は区市町村が行ってきた保険料抑制のための独自繰り入れを計画的に解消するよう求め、保険料の徴収強化を行うとしています。
要請では都の方針では「更なる保険料の値上げが押し進められる」とし、「今でも高くて払えない国保料がさらに大幅に引き上げられれば、負担能力の限界をはるかに超え、国保制度を根底から崩しかねない」と強調しています。
その上で統一保険料方式をとっている区長会として▽激変緩和措置の継続拡充▽さらなる一般会計繰り入れをはじめあらゆる努力で国保料を引き下げる▽都に対し引き下げのための都独自の財源支出や18歳までの均等割の早急な廃止を国に申し入れる。都には独自の軽減策を求める。区長会として独自の軽減策を申し合わせ実施する。財源は都に求める―ことなどを求めました。
参加者は「新型コロナに感染して元のように働けなくなった夫がいる妊娠中の妻は、子どもが生まれた瞬間、国保料の均等割が増える。18歳まで医療費が無料になっても、均等割は払わないといけない。協会けんぽとの不公平感がある。廃止するよう国に強く求めてほしい」(足立区議)、「コロナ減免がなくなって国保料を滞納した業者が差し押さえになっている。払いたくとも払えない人もいる。せめて売り上げに応じた減免制度をつくってほしい」(北区議)と訴えました。
区長会が国に提言 子ども均等割の軽減拡大を
特別区長会は昨年11月26日、厚生労働相宛てに国保制度の見直しについての提言を提出しました。被保険者の低所得化や一人当たりの医療費増による保険料増は、個々の自治体の努力だけでは解決できないとして、国保財政基盤の強化、国庫負担割合の引き上げ実施で制度の維持を図るべきだと提起。
他にも、低所得者の負担軽減や子どもの均等割額について、軽減対象を未就学児までとの制限を撤廃し、公費による軽減割合の拡大などを国に求めています。
75歳以上高齢者保険料 共産党 6.2%増やめ引き下げを
75歳以上の高齢者を対象とする後期高齢者医療制度をめぐって、東京都後期高齢者医療広域連合が2024”25年度の保険料を22”23年度比で一人当たり平均6514円増(6・2%増)の11万1356円とする案を決めました。31日に開く広域連合議会に提出する予定です。
日本共産党の小林憲一(多摩市議)、くすやま美紀(杉並区議)の両広域連合議員は19日、保険料値上げをやめて、引き下げるよう求める申し入れを吉住健一広域連合長(新宿区長)あてに行いました。
後期高齢者医療制度は、75歳以上の高齢者を他の医療保険制度から切り離す仕組みのため、75歳以上の人口と医療費が増えるほど、保険料引き上げに跳ね返る仕組みとなっています。さらに、岸田政権は子どもの出産育児一時金の拡充の財源の一部を、後期高齢者医療から負担させるとしており、都連合では一人あたり641円を保険料に上乗せすると見込みました。さらに、財源構成に占める75歳以上高齢者の負担率の割合が国の通知に基づいて引き上げられることなどが、保険料引き上げの要因になっています。
申し入れでは、高齢者の生活の実態などから、保険料を引き下げるべきだと指摘。▽剰余金の活用や、都との再協議による基金の活用など、あらゆる努力をして保険料を引き下げる▽国に75歳以上高齢者負担率の引き下げを求める―などを要請しました。