都知事選に向けたキックオフ都民集会(1月24日)では、各分野で運動する市民らが、小池都政への怒りと、都政を変える思いを語りました。
「呼びかけ人会議」の五十嵐仁・法政大名誉教授は、「能登半島地震で、公共がいかに大切か、改めて痛感させられた。新自由主義のもとで、公務員減らしや民営化など公共の役割が低下させられてきた。小池都政を転換し、私たちの命や生活、営業を守る都政を実現しよう」と開会あいさつ。あわせて、「政治とカネの問題で混迷を極める岸田政権にノーを突き付け、国政を変える大きな波を東京から起こそう」と呼びかけました。
前回都知事選に立候補した宇都宮健児弁護士は、「都知事選での市民と野党の共闘が、その後の都議選や各種選挙での共闘の前進につながった。また、都知事選で公約した高校授業料無償化や、パートナーシップ制度導入などが、都議会論戦や都民の運動を通じて実現してきた。都知事選をたたかった意義を改めて感じる」と紹介。五輪汚職や、神宮外苑再開発、PFAS(有機フッ素化合物)汚染への対応、カジノ誘致など都政の抱える様々な問題点を挙げ、「貧困と格差が広がる今、都民の手に都政を取り戻す運動に全力で取り組もう」と連帯あいさつしました。
各分野の運動団体や、市民から、15団体・個人がリレートーク。住民の声を無視した道路建設や都市開発、平和、労働、教育、多摩格差など、各分野で運動に取り組む人たちが発言しました。
保育園園長の根本春野さんは、「東京では規制緩和のもと、多くの園ができたが、園庭がなかったり、人件費が削られて保育士が辞めてしまうなど、多くの問題がある。都政を変えたい」と訴え。小池知事が独立行政法人化した都立病院に働く保育士は、「労働条件が悪化して看護師が退職し、病床や診療科が閉鎖されている。もとの都立病院に戻すため戦いたい」と語りました。
気候危機などの問題に取り組む若者も登壇。環境アクティビストで大学生の黒部睦さんは、「気候やジェンダーなど、さまざまな問題の背景には、不公正な社会構造がある。構造を変えるための議論の場に、多様な性の人や若い世代が加われるようにすることが、解決の糸口になる。誰もが自分の声が政治に反映させることができると希望が持てる政治を求めていこう」と呼びかけ。新日本婦人の会東京都本部の佐久間千絵さんは、新宿歌舞伎町に集まる「トー横キッズ」と呼ばれる若者の現状を紹介し、「家にも学校にも居場所がない子どもたちが、性搾取に遭ったり、薬の過剰摂取で病院に運ばれている。包括的性教育を進め、性搾取のない東京をつくりたい」と語りました。