❚ 総務相「課題整理」
「毎日シェア急騰株」―。昨年秋、SNSに日本共産党の宮本徹議員のなりすましが現れ、投資詐欺に勧誘する投稿を繰り返しました。宮本氏は27日の衆院予算委員会分科会で自らの経験を取り上げて、SNS上のなりすましに法律で削除義務を課すよう検討を迫りました。
宮本氏はなりすましアカウントの削除をSNSの運営事業者に申請していますが、いまだ削除されていません。やむなく東京地裁にアカウントの削除を求める仮処分命令の申し立てを行ったといいます。宮本氏はこうしたなりすましについて「名誉毀損(きそん)にあたる事態だ」と指摘。松本剛明総務相も「違法の可能性がある。なりすまし行為に対してはなんらかの対応が必要だ」と応じました。
政府は今通常国会に、SNS等の運営事業者に対して削除対応の迅速化や運用状況の透明化を求めるプロバイダ責任制限法改定案の提出を予定しています。宮本氏は「事業者に対しなりすましの削除義務を明記する必要がある」と指摘しました。
フランスの法律では選挙投票日の3カ月前から虚偽情報が拡散されている場合、SNS運営事業者に偽アカウント対策の協力義務を負わせ、裁判官は運営事業者に対して送信防止措置を命ずることができます。
宮本氏は「民主主義の根幹である選挙で、なりすましやフェイク動画について(日本でも)もっと早急に対応できる対策を法的に考える必要がある」と追及。松本総務相は「なりすましの対応を含めて課題の整理などをしっかりしていきたい」と答えました。
(しんぶん赤旗2024年2月29日付より)