東視協が知事選学習会
「視覚障害者の願いが花開く都政に変えよう」と20日、革新都政(1967~79年)がつくった障害者福祉の歴史を学び、今に生かす集いが港区で開かれました。東京視覚障害者協会(東視協)が主催。
外出を助けるガイドヘルパーに付き添われるなどした視覚障害者が次々と到着。三十数人の参加者一人ひとりが自己紹介して始まりました。
「小池百合子都政が誕生して間もなく8年。都民の暮らしはよくなったでしょうか」と講演を始めたのは、革新都政の会事務局長の中山伸さん。総額16兆円超の財政を活用すれば実現できる福祉や医療、教育の充実に背を向け、「財界ファースト」で「東京大改造」に突き進む都政の実態を数字で示して告発しました。
また、革新都政が憲法25条を基本にして「シビル・ミニマム」を提起し、障害者の生きる権利保障に踏み出したことを強調。市民と野党の共闘で都知事選の勝利をめざす都民集会や都議会での論戦の動きも紹介し、「革新都政を生み出した力を今に生かそう」と呼びかけました。
東視協副会長の山城完治さんが、革新都政が実現した視覚障害者にかかわるさまざまな施策とその後の制度後退とのたたかいを紹介しました。
74年に開始された心身障害者医療費助成制度が廃止されそうになった時には「1カ月の座り込みで阻止できた」。会場の東京都障害者福祉会館は石原慎太郎都政下で民営化計画が持ち上がり、「担当者と何度も話し合い、都立として残りました」と語りました。
全国初の点字による職員採用試験も73年に開始。参加者の田中章治さん(78)は、その時に採用され、都立中央図書館で2009年まで勤務しました。「公立図書館を視覚障害者も利用できるように改革する中で実現した。対面朗読や録音サービスは全国に広がりました。でも知事がかわったらほとんど採用されなくなりました」と話しました。
(「しんぶん赤旗」2024年3月22日付より)