自民・都ファ・公明が福手氏らに
東京都議会予算特別委員会で26日、自民党、都民ファーストの会、公明党が同委員会での日本共産党の福手ゆう子都議、立憲民主党の関口健太郎都議の質問を「虚偽」「不穏当」と言い立て、速記録から削除を求める動議を多数で強行しました。共産党、立民、ミライ会議3会派は反対しました。動議には強制力はありません。
13日の同委員会で福手氏は、朝鮮学校への運営費補助の停止をめぐり、子どもの最善の利益を最優先に施策を行うよう都に求めました。関口氏は、都議会で小池百合子知事が批判的質問への答弁に立たないことを批判しました。
動議の提出に対し意見表明をおこなった共産党の原のり子都議は「議員は都の姿勢や施策をチェックする重要な役割を遂行するため、自らの責任で自由に発言することが保障されている。発言の自由は議会の最も大事な原則の一つだ」と強調。地方自治法では取り消し要件を「無礼の言葉を使用し、又は他人の私生活にわたる言論」と厳しく限定し、都議会会議規則も「議題について自由に質疑し、意見を述べることができる」と議員の発言を保障していることを示しました。
その上で、「わが党の発言は地方自治法や会議規則に照らしても、削除する理由は全くない。動議は質問内容に立ち入って、虚偽と決めつけて削除を求めたもので、議員の発言権・質問権の侵害そのものだ」と批判しました。
共産党など会見「発言権侵害だ」
共産、立民、ミライ3会派は都庁内で記者会見。「議員の発言内容に立ち入って虚偽、不穏当と決め付け、削除することが押し付けられれば民主主義が成り立たない」(共産党の和泉なおみ幹事長)、「予算審議で知事の政治姿勢をただすのは当然。答弁拒否への批判を議会側が取り消すのは二元代表制の危機」(立民の西沢圭太幹事長)、「議員の発言は重く、安易に多数決で取り消しを求めるのは都議会の自滅だ」(ミライの米川大二郎幹事)と批判しました。
(「しんぶん赤旗」2024年3月27日付より)