物流運転手 待遇改善を

❚ 参院国交委 吉良氏 営業区域制復活を要求

質問する吉良よし子議員=25日、参院国交委(しんぶん赤旗提供)

 物流の「2024年問題」への対応として、荷主や物流事業者への規制を盛り込んだ「流通業務総合効率化法」「貨物自動車運送事業法」両改正案が25日の参院国土交通委員会で採決され、日本共産党と自民、公明、立民、維新、国民の賛成多数で可決されました。れいわは反対。日本共産党の吉良よし子議員が提出した修正案は否決されました。

 吉良氏は質疑で「トラックドライバーに責任や犠牲を負わせる議論や施策は許されない」「確実に待遇改善につなげる必要がある」と強調。改正案の目的規定や基本理念で「物資の流通の効率化」が強調される一方、労働者の待遇改善に直接つながる記載がないと指摘し、「効率化のために、労働者が犠牲になっても構わないという趣旨ではないな」と確かめました。斉藤鉄夫国交相は「より短い時間働き、より高い賃金を得てもらい、トラックドライバーの待遇改善を図る趣旨だ」と答えました。

 吉良氏は「仕事と生活の両立が可能な業界にすることが重要だ」として、発着地のいずれかを営業区域内とする営業区域制の復活を要求。高速道路での「安易なスピードアップ策」を見直し、労働時間の短縮が賃下げにつながらないよう「標準的運賃」を「最低運賃」にする必要があると訴えました。

 さらに吉良氏は、トラック運転手の休憩場所について、1日に改定された厚生労働省の改善基準告示で、休憩所にサービスエリアの他、コンビニや給油所、道の駅も含まれると記されているものの、周知されていないと指摘。斉藤氏は「厚労省とも連携し、無用なトラブルを防止するためにも、関係業界に対して必要な普及啓発活動、周知を徹底していく」と述べました。

(しんぶん赤旗2024年4月26日付より)

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