❚ 参院憲法審 山添議員が主張
参院憲法審査会が15日に開かれ、憲法54条の参院緊急集会に関する意見交換が行われました。日本共産党の山添拓議員は、緊急集会は「国民は、正当に選挙された国会における代表者を通じて行動」するという憲法前文を踏まえた制度だと主張。緊急事態を理由に衆院議員の任期延長を可能にする改憲議論は不当だと批判しました。
山添氏は、憲法制定議会では、憲法への緊急集会導入は「民主政治を徹底させて国民の権利を十分擁護するため」と説明されていたと指摘。当時の議論では、国会常置委員会を設置して対応するという案は排除されており、「こうした経緯を踏まえると、緊急集会が『民主政治の徹底』を趣旨とするのは、緊急時であっても民主的に選ばれた議員によることを要求するものと理解すべきだ」と主張しました。川崎政司参院法制局長は「おっしゃる通りだ」と認めました。
山添氏は、最高裁判決は選挙権の制限は「やむを得ないと認められる事由がなければならない」としており、「緊急集会が必要となる事態においてもできるだけ速やかに総選挙を実施し、選挙権行使を可能にした上で『民主政治の徹底』を万全にすることを要求するのが憲法の趣旨だ」と指摘。「総選挙を広範囲で実施できない期間が長く続くことをことさら想定し、選挙権の制限を正当化する任期延長論は国民主権の基本を踏まえないものだ」と批判しました。
(しんぶん赤旗2024年5月16日付より)