笠井氏批判 玄海町長に経産相が圧力 衆院経産委
佐賀県玄海町の脇山伸太郎町長が原発から出る核のごみ(高レベル放射性廃棄物)の最終処分地選定のための文献調査を受け入れることを表明した問題で、日本共産党の笠井亮衆院議員は15日、衆院経済産業委員会で、斎藤健経済産業相が直接町長に調査実施を求めるよう押しつけたことを批判しました。
笠井氏は、佐賀県内の市民団体の玄海町民への電話調査で、玄海町に最終処分場をつくることに回答した114人中、「反対」が72・8%、賛成が2・6%だったことを紹介。
また、住民説明会も開かれないまま、3団体の文献調査受け入れの請願から町長の決断までの1カ月余りの拙速な流れに、町民からは「報道されて初めて知った。寝耳に水とはこんこつばい」、「進め方が急すぎる」などの声があることを示し、斎藤経産相の認識をただしました。
斎藤経産相が「地域で丁寧に議論を深めていくということに尽きる」と述べたのに対し、笠井氏は「深めていないままに一気にこういうことになったというのが現実の声」と反論しました。
さらに笠井氏は、玄海町民から「玄海町に危険なものは、もうつくらないで」「Uターン予定の子どもに帰って来んでいいと言い渡した。子や孫に原発のごみの上で暮らしてほしくない」などの声があがっているとして、文献調査の押しつけをやめるべきだと迫りました。斎藤経産相は「最終処分は日本社会全体で解決しなくてはならない重要な課題」などと繰り返しました。
笠井氏は、「原発を使い続ければ処分困難な核のごみが増え、問題は一層深刻になる。核のごみ処分も原発も行き詰まりは明らか」と批判するとともに、原発ゼロの決断を求めました。
(「しんぶん赤旗」2024年5月17日付より)