日本共産党は11日、池袋駅で衆院選の東京の予定候補が勢ぞろいする街頭演説会を開きました。田村智子委員長(参院議員)など4人の比例予定候補と、13人の小選挙区予定候補(比例重複を除く)が、共産党の躍進で、自民党政治を終わらせようと訴えました。
街頭演説の冒頭では、小選挙区の予定候補者が一人30秒の持ち時間で、それぞれが政治活動に取り組む原点にもふれながら、政治を変える思いをアピールしました。
1区の中野けん氏は、「中学校の英語の教師だった父が52歳で過労死した。3年かかって、2万人分の署名が集まり、公務災害の認定を勝ち取った。働く人が団結する尊さを学んだ。働く人と家族が幸せになる日本をつくりたい」、12区の田原聖子氏は「介護や自治体の非正規などの労働組合で20年間活動してきた。その経験を生かし、ケアが希望になる政治に向けて頑張ります」と表明。19区のいでしげ美津子氏は、「同世代の女性の友人に聞くと、将来、受け取れる年金は月6万円だけで、今から備えている。これは、本人が選んだことではなく、政治の責任。誰もが生きやすい社会をつくる」など、各予定候補の訴えに大きな拍手が寄せられました。
裏金政治を変える
続いて、比例代表の予定候補が訴えました。坂井和歌子氏は、「自民党政治を終わらせ、その先にどんな社会をつくるのか、希望を語り合い、みんなで一緒に社会を変えていこう」と強調。「失われた30年は自然に失われたものではない。財界からの裏金にまみれ、私たちの生活や働き方に向き合ってこなかった自民党に奪われたものだ」として、「この国で生きる人々、多くの子どもたちが、自分はここにいていいんだ、社会から大切にされていると実感できる日本にしていきたい」と呼びかけました。
谷川智行氏(4区重複)は、「自民党政治が、人々の命も暮らしも脅かしてきたことを、医師としての25年間で実感してきた」として、各地で取り組まれる食料支援や医療相談には長蛇の列ができ、暮らしの困難で医療にかかれず手遅れになる事例も起きていると告発。「私が医師として闘ってきたのは、病気であるとともに、もう一つの巨大な相手は命をないがしろにする自民党政治だった。命を大切にする新しい政治をつくる」と決意を表明しました。
宮本徹氏(衆院議員、20区重複)は、「先月の衆院補選で、衆院の力関係が3議席変わり、立憲民主党や共産党などで政治倫理審査会での申し立てができる、3分の1の議席を占めることができた。さっそく、裏金議員44人の審査を申し立てた」と紹介。「裏金の再発防止、政治改革が国会の焦点だ。腐敗の大本にある企業団体献金を、パーティー券も含めて全面禁止することが、最大の再発防止策」として、「自民党の改革案は、抜け穴を温存しようというもので、許すわけにはいかない。自民党政治そのものを退場させるしかない」と批判しました。
都政は自民党政治
最後にマイクを握った田村氏は、「1月の党大会で委員長になって、『新委員長は何をするのですか』という質問をメディア取材でよく受けた。私の一番の役割は、自民党政治を終わらせることですと宣言してきた」と力説。「衆院の3補選をめぐる報道では、市民と野党の勝利と、それに日本共産党が貢献したことに注目が集まっている。多くの国民とともに、日本共産党が自民党政治を窮地に追い込んでいる。もっと政治を動かそう」と提起しました。
暮らしと経済、平和と外交、ジェンダー平等のそれぞれについて、日本共産党のビジョンと対比して、自民党政治の実態を告発しました。
さらに、7月7日投票の都知事選、都議補選について、「小池知事は自民党政治そのものの都政を進めている」として、「自民党政治を変えるムーブメントを東京から起こそう」と呼びかけ。神宮外苑など歴史や文化、緑を壊す大規模再開発をすすめる一方、国保料値上げをはじめ「都民の暮らしの痛みに応えようとしない」都政を批判しました。
大企業の儲けが増大する中で、東京都の税収もこの8年間で、1兆円もの増収となったと指摘。暮らし支援のさまざまな施策をあげ、「すべてをやっても2000億円、増えた税収のたった2割で可能だ」と都政の転換を訴えました。
演説会の全編は、日本共産党都委員会のYouTubeチャンネルで視聴できます。