再三の米政治家発言に政府 参院委・山添氏追及
米政治家が繰り返す原爆投下を正当化する発言に、日本政府がこれまで一度も抗議していないことが、21日の参院外交防衛委員会での日本共産党の山添拓議員の質問で明らかになりました。
米共和党のリンゼー・グラム上院議員は8日の上院公聴会で、イスラエルへの武器支援継続を求める文脈で「日本への原爆投下は正しい判断だったと思うか」と質問。チャールズ・ブラウン統合参謀本部議長が「世界大戦を終わらせたとは言える」と答え、オースティン国防長官もこれに賛同しました。
山添氏は、戦後、米政治家が繰り返してきた原爆投下を正当化する発言に「日本政府として抗議し撤回を求めたことは何回あるか」と質問。外務省の宮本新吾参事官は「米側に抗議と撤回を求めたことはない」と答弁しました。
山添氏は「政府として正式に抗議すべきだ」と求め、「昨年のG7(主要7カ国)広島サミットでは、核のない世界へのコミットメントで一致したとしていたが、米国政府は、核兵器の非人道性を全然共有していない」と批判しました。
さらに、米国が行った未臨界核実験(14日)への認識を質問。上川陽子外相は「未臨界実験は、包括的核実験禁止条約(CTBT)において禁止される核爆発を伴うものではない。わが国としては、CTBTの発効を具体的な核軍縮措置として重視している」と述べました。
山添氏は「広島、長崎をはじめ、多くの自治体、議会が抗議を表明しているなか、日本政府は抗議どころか容認、擁護する姿勢だ」と厳しく批判。「実験は使用を前提とし、核廃絶に逆行する。あらゆる核実験に反対し、やめさせるべきだ。核抑止力論にしがみつく日本政府の姿勢が問われる」と迫りました。
(「しんぶん赤旗」2024年5月26日付より)