心身障害者医療費助成  対象拡大を都に軽減・免除を要請

 都の心身障害者の医療費助成の対象拡大を求め、都内の障害者やその家族の団体などでつくる「全都連絡会」は5月22日、小池百合子知事宛ての3194人分の署名とともに要望書を提出しました。

 都の心身障害者の医療助成制度は対象者が限られ、知的障害の「愛の手帳」の場合、障害程度が1度(最重度)、2度(重度)が対象。住民税の課税者は医療費の自己負担が1割、非課税者は免除となります。一方、3度(中度)、4度(軽度)は対象とならず、健常者と同じ原則3割負担です。連絡会は要望書で3・4度の障害者も軽減するよう求めました。
 要望書を受け取った都福祉局生活福祉部の渋谷恵美・事業調整担当部長は、「具体的でためになる話だった。真摯(しんし)に受け止めます」と話しました。
 この日、シンポジウムも開催。同連絡会事務局の竹野晃さんが経過を報告。「知的障害者の医療費助成は50年間、改革がなく、格差が残っている。障害の程度にかかわらず命と健康を守る制度になるよう運動していく」と述べました。
 当事者や保護者が発言。軽度の知的障害がある女性は、「持病の定期検査やアレルギーなどの通院で、1回数千円かかることもある。作業所の工賃は月1万5000円で、3割負担でも大変。今は親が払ってくれるが亡くなれば医療費が払えるか不安」とのべ、中・軽度でも医療費を免除してほしいと話しました。
 知的障害の息子(53)を一人で育てる母は「息子は内科や皮膚科、歯科、眼科にかかり、年に7万円前後になる。自分は年金暮らしで今後どうなるのか。命にかかわることなので制度を見直してほしい」と訴えました。
 コーディネーターの藤井克徳・日本障害者協議会代表は「当事者は家族への依存でつらい思いをし、治療をがまんしてしまう。依存、がまんのどちらも人権問題だ」と指摘しました。
 都議会の日本共産党、立憲民主党、グリーンな東京、生活者ネットの代表があいさつ。共産党の原のり子都議は「みなさんの声が早く東京都に届いてほしい。医療費助成は命に直結する。都議会の一致点を大事に、問題を解決できるよう頑張りたい」と話しました。

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