小池都政「反自民」が自民政治に 都議会論戦で2期8年検証

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 小池百合子知事の2期目最後となる都議会定例会が12日、閉会しました。小池知事は閉会あいさつの中で、都知事選3選出馬を表明。都知事選では小池都政2期8年が問われます。議会論戦から小池都政を検証しました。

希望かなう都政に転換を
 日本共産党の米倉春奈都議は代表質問(4日)で、都知事選の争点について▽暮らし・福祉優先の都政への転換▽財界ファーストの大型開発から、都民の声を大事にするまちづくりへの転換▽子どもの人権を尊重する教育への転換▽ジェンダー平等への姿勢▽都民の命、健康、安全、平和を守り抜く都政への転換―をあげ、小池知事をただしました。
 米倉都議はその冒頭、「都民に冷たく、財界ファーストの小池都政の行き詰まりは明らかだ。8年前に期待を集めた『反自民』の姿勢は見る影もない」と強調しました。
 もともと自民党の衆院議員だった小池氏ですが、8年前の都知事選では自民党都連を「ブラックボックス」などと厳しく批判。対決姿勢を打ち出し、都民の大きな期待を集めて知事に就任しました。JX通信社の前回都知事選(2020年)の直前調査では7割近い支持がありました。
 それが今では支持率こそ不支持率と同じ33%で拮抗するものの、「小池都政が続くのが望ましい」と答えた人24%に対し、「交代した方がよい」が42%と大きく上回ったのです。(同社5月18・19両日実施調査)

光は都庁でなく暮らし・福祉に
 米倉都議は代表質問で、都民の暮らしに無関心な小池都政の姿勢の表れの一つとして、「光をあてるところが違う」と批判を招く都庁舎などに映像を映すプロジェクションマッピングを例示。2年間で48億円もの税金を使う一方、都庁の足もとで毎週行われているボランティアによる食料支援には800人もの人が並んでいるのに、一度も視察に訪れていないことを明らかにしました。
 原純子都議は討論(12日)で「都民の暮らしの実態を見ようとしない、知事の冷たい姿勢が表れている」と批判しました。

外苑再開発問題だんまりで逃げ
 「神宮外苑再開発は都知事選挙の大きな争点です。知事、あくまで進めるつもりですか。逃げずにお答えください」。米倉都議はこう迫りましたが、小池知事はこれまでと同様、答弁には立ちませんでした。
 外苑のシンボル、イチョウ並木を危機にさらし、大量の樹木を伐採する同計画を巡っては、多くの都民や専門家から見直しを求める声が上がり、国際機関からも勧告などが相次いでいます。
 専門家から事業者提出の報告書への疑義や批判が高まる中、都は新たな樹木保全計画を事業者に提出するよう要請せざるを得なくなり、伐採は一時停止しています。都民は開発の行方を注視していますが、小池知事は争点になるのを恐れるかのようにだんまりを決め込んでいます。

知事は環境熱心虚像が明らかに
 小池知事は、所信表明で「経済性と効率性を優先するまちづくりは過去のものとなり、東京は緑豊かな都市としてさらなる進化を続けている」と胸を張りました。
 ところが実際にやっていることは神宮外苑や臨海水族園(江戸川区)、日比谷公園(千代田区)、明治公園(新宿区)など、都立公園や都市計画公園の大量伐採、再開発です。
 米倉都議は、そのことを指摘した上で、樹木の環境に与える効果や気候危機、ヒートアイランドを緩和する効果への認識を問いましたが、小池知事は答弁しませんでした。
 さらに、4月のG7(先進7カ国首脳会議)で初めて石炭火力の廃止が盛り込まれた共同声明への受け止めをただしたに対し、小池知事は「電源構成等のエネルギー政策のあり方は国レベルで議論、検討がなされるべき」と答えただけでした。
 原都議は討論で「知事は環境に熱心というのは虚像であることがはっきりした」「小池都政のもとで2030年カーボンハーフなど実現不可能だ」と厳しく指摘しました。

倍増の不登校数対策は国まかせ
 都内公立小中学校の不登校児童生徒数は、小池知事が就任した2016年度約1万1000人から、22年度には過去最多の約2万7000人と2倍以上に激増しています。
 米倉都議は教職員組合、保護者、子どもたちが求めてきた正規職員の増員、教員の授業時間の削減、少人数学級の拡充、学力テストの押しつけ中止などが必要なのに、「知事は耳を貸さず、必要な予算をつけてこなかった」と批判しました。
 特に要望の強い少人数学級について、小池知事は「国の責任で行われるべきもの」と従来答弁を繰り返し、国任せの姿勢を改めて示しました。
 米倉都議は質問の最後に「新しい都知事を誕生させて、都民の希望がかなう都政をつくるために全力を尽くす」と表明しました。

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