小池都政の実態(下)

共産党、公約違反を追及

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都知事選前最後の定例会で討論に立つ日本共産党の原純子都議(左)。右手前は小池百合子知事=12日、都議会本会議

語らない外苑再開発

 多数の樹木を伐採・移植し、超高層ビル3棟を建設する外苑再開発計画に対して、多くの市民や著名人、環境・都市計画の専門家など批判の声が広がり、都知事選の大きな争点になっています。

 しかし、小池氏は神宮外苑再開発で、批判の声を「ネガティブキャンペーン」「一方的な情報」だと非難してきました。知事選政策でも外苑再開発について一言も語っていません。

待機児童は解消されず

 「『人』が輝く東京」ではどうか。小池氏は「待機児童97%減少」を掲げます。しかし、小池氏が挙げる数字は、認可保育園に入れなくても自治体独自補助の保育施設を利用したり育児休業を延長して復職を諦めたりした場合に、待機児童とみなさない「新定義」の児童数です。

 認可保育園等(認定こども園、地域型保育事業を含む)に申し込んだのに入れなかった実質的な待機児童(今年4月1日現在)は、共産党都議団の調査で少なくとも55区市町村1万2229人に上っています。

 共産党都議団は一貫して認可保育園の増設を求め、都有地・国有地の活用などを質問や条例提案で繰り返し提起。石原慎太郎知事時代(1999~2012年度)の“安上がり保育”推進から、認可保育園の増設へと都のかじを切らせ、大規模な増設を実現してきましたが、待機児童問題は決して「ほぼ解消することができた」(今年2月議会で代表質問への答弁)問題ではありません。

給食無償化 新たな格差

 小池氏は「2期目公約の実現」として「50の自治体で給食無償化」を挙げました。

 しかし、小池知事は昨年秋までは、都議会で「(法律では)学校給食費は児童・生徒の保護者負担とされている。学校給食費の取り扱いは国の責任と負担によるべきもの」(昨年9月議会で共産党の白石たみお都議の代表質問に)と答弁するなど、冷淡な態度を取っていました。

 学校給食の無償化を求める都民の世論と運動が広がり、12月議会でようやく「学校給食費の負担軽減に大胆に踏み出す」と表明しましたが、都の補助率は経費の2分の1にとどまっています。23区は無償化しましたが、財政力が弱い多摩・島しょの市町村では無償化に踏み出せない自治体が残されるなど“新たな多摩格差”が生じています。

 今年6月の都議会で、共産党の米倉春奈都議が「半額補助では財政的に厳しいと悩む市町村も少なくない。都内全ての子どもたちの給食費を無償にするには、都が全額補助することが重要だ」と迫りましたが、小池氏は答弁に立ちませんでした。(おわり)

(「しんぶん赤旗」2024年6月28日付より)

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