都知事選・都議補選は7日、投開票です。都知事選は市民と野党の共闘で推された蓮舫候補(無所属、新人)が、自民、公明、都民ファーストなどが支援する現職の小池百合子氏(無所属)を猛追し、最後の奮闘が勝敗を分ける激戦のまま最終盤に突入しました。
「現職知事に追いつき、追い越せ」―。蓮舫候補を何としても知事に押し上げたいと、蓮舫候補を支援する各政党が奮闘。日本共産党は田村智子委員長、小池晃書記局長、山添拓、吉良よし子両参院議員、宮本徹、笠井亮両衆院議員ら東京選出国会議員をはじめ、都議、地方議員を先頭に街頭で訴え。都内のあちこちでプラカードを掲げてスタンディングする市民の行動も広がり、SNSでその様子が拡散されるなど、支援の輪が急速に広がっています。
ターミナル駅での蓮舫候補の街頭演説には、これまで各陣営が経験したことのないような大勢の聴衆が押し寄せ、大きな盛り上がりを見せています。
杉並区 女性の声を集め
JR阿佐ケ谷駅前(杉並区)で行われた「女性の声が東京を変える at ASAGAYA」と題した街頭演説(6月29日)では、聴衆が駅前ロータリーを埋め尽くし、遠巻きに幾重もの人垣ができるほど。
仮設ステージでは、市民連合の菱山南帆子氏の進行で日本共産党の田村智子委員長、社民党の福島瑞穂党首ら政党代表、杉並区の岸本聡子区長や女性の市民弁士が次々とマイクを握り、蓮舫氏への期待を熱く表明。「自民党の政治はもう嫌だという声に応える蓮舫さんを都知事にしよう」(田村委員長)との呼びかけに、共感の声援が飛びました。
田村委員長は沖縄県で米兵による少女への性暴力事件が自民党政権によって半年間も隠蔽(いんぺい)されていたことに触れ、「政権の延命、我が身を守りたいだけの政治が日本をダメにしている。“裏金自民党”の応援を歓迎すると言った小池知事への一票は、自民党を喜ばせるだけだ」と強調。
「裏金政治ど真ん中の自民議員」がやってきたことは、東京での優れた性教育を攻撃して押しつぶし、選択的夫婦別姓や同性婚を妨害し、LGBTQなど性的少数者への差別発言を繰り返してきたことだと批判。「ジェンダー平等、個人の尊厳を大切にする東京をつくるには、蓮舫さんを都知事にすることが求められている。都知事が代われば政治、東京が変わる。“私が私を大切にできる社会”へと大きく前進できる」と訴えました。
社民党の福島みずほ党首は「男性に輪を掛けて女性はもっと生きにくい。女性が当たり前に働き、子どもを食べさせるだけの賃金が得にくい東京を“蓮舫都知事”で変えよう」と呼びかけました。杉並区の岸本聡子区長は女性が多い福祉の現場で従事する若者への奨学金返済支援や、都の専門職の正規化など蓮舫候補の公約を高く評価。「都の政策は他の自治体の未来に大きく影響する。私企業の利潤・目的のための再開発ではなく、対話による合意形成の道を開いてほしい」と述べ、ボトムアップの民主主義を主張する蓮舫候補に期待を寄せました。生活者ネットの岩永やす代都議も訴えました。
看護師や気候変動運動に取り組む大学生、都のスクールカウンセラーの雇い止めにあった女性、ライターの和田静香氏もマイクを握りました。
最後に登場した蓮舫候補は、小池都政の少子化対策は婚活アプリの開発など「結婚させようとする政策」だと指摘。「結婚する選択、しない選択、全ての選択と全ての決断と全ての人を等しく応援するのが、東京都の多様性、知事の仕事だ」と述べ、選択的夫婦別姓制度が実現するまで都の「パートナーシップ宣誓制度」を異性カップルでも使えるように変えていくと訴えました。
その後、聴衆の間を握手やハイタッチしながら歩き、聴衆からは蓮舫コールが沸き起こりました。
新公約を発表「外苑」都民投票
蓮舫候補は6月29日、港区の神宮外苑前で記者会見し、小池百合子都政のもとで多数の樹木を伐採し、超高層ビルを建設する外苑再開発について、都民に賛否を問う「都民投票」を都議会に提案すると発表しました。
蓮舫氏は「私が知事に選ばれたら、再開発の賛否を問う史上初の『都民投票』を都議会に提案し、その民意を背景に事業者と真摯(しんし)に向き合いたい」と述べています。
羽田新ルート見直しも
蓮舫氏は、小池都政が推進する航空機が都心の低空を飛行し、都民から落下物の危険や騒音被害で批判があがる「羽田新ルート」について街頭演説で、「見直しを早期に国に申し入れたい」と表明しました。