インターネットへの事実に基づかない投稿で名誉を毀損(きそん)され活動に支障を被ったとして、虐待や性搾取に遭う少女らを支援してきた一般社団法人Colabo(コラボ)と代表の仁藤夢乃さんが、発信元の40代男性に計1100万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が18日、東京地裁であり、西村康一郎裁判長は男性に、計220万円の支払いなどを命じました。
仁藤さん側は「投稿がデマだと認定された。全面勝訴」と歓迎する一方、「女性支援への妨害による被害に比して賠償額が低い」とも指摘しました。男性側は出廷しませんでしたが、SNSで控訴の意向を示しています。
判決によると男性は2022年、「暇空茜」のアカウント名でブログや動画サイトに「コラボが10代の女の子をタコ部屋に住まわせて生活保護を受給させ、毎月1人6万5000円を徴収している」などと投稿しました。
判決は投稿について「いずれも真実であると認められない」と明言。その上で「(コラボ側が)支援対象の女性を利用して私益を図っているという印象を生じさせる内容」であり、「(コラボ側の)社会的評価を低下させる」ものだとして、名誉毀損を認めました。
男性は投稿内容について「真実であると信じた相当な理由がある」などと主張しましたが、判決は「コラボの活動報告書から、(男性が書き込んだ)事実を読み取ること自体に無理がある」と指摘しました。
また、「(男性が)自らの好む漫画やアニメを批判する仁藤氏に対し強い敵意を抱き、仁藤氏を批判する動機がそこにあることを自認して」おり、「あえて曲解している可能性を否定できない」などとし、男性の主張を退けました。