党都議団「都は撤回を」
国連人権理事会の報告書で神宮外苑再開発について「人権に悪影響を及ぼす可能性がある」とした記述を削除するよう、日本政府と東京都が求めている問題で、日本共産党都議団(大山とも子団長、19人)は24日、削除要請を撤回し市民や専門家の声に耳を傾けるよう、小池百合子知事宛てに申し入れました。
人権理事会の報告書は、大規模開発の環境影響評価(アセスメント)で「公開協議が不十分との報告に深刻な危惧を表明」としました。日本政府と都は指摘を「誤り」として、全文削除を要求。一方で、都市計画研究者の石川幹子東京大学名誉教授は政府と都の姿勢を「人権理事会の報告書を真摯(しんし)に受け止めていない」と批判しています。
都議団申し入れでは、異論を受け付けない都の進め方に対して、ユネスコ(国連教育科学文化機関)諮問組織のイコモスや国際影響評価学会(IAIA)日本支部などが厳しく批判していると指摘。
都が「説明会を複数回開いている」としたことについても、参加者を限定し対話しないものであったからこそ「市民が国連に保護を求め、今回の報告書に至ったのが現実だ」と示し、「事実を逆さまに描いて削除要請の理由とすることは、断じて許されない」と批判しました。
人権理事会の「ビジネスと人権に関する指導原則」で基本的人権の尊重と、人権侵害の救済のため利害関係者との対話などを求めていることを強調。「国・都・事業者が直ちに行うべきことは、削除要請を撤回し、市民や専門家の声に耳を傾け、対話を重ねることだ」と求めました。
都政策企画局の担当者は「要望は知事に上げる」と答えました。