都知事選 土台築いた「共闘」さらに 市民と野党が合同会議

 都知事選の結果を受けて、「市民と野党の共闘」で取り組んだ政党や市民団体などが参加して教訓や課題について話し合う合同地区選対会議が22日、都内で開かれました。蓮舫氏の当選には及ばなかったものの、獲得した約128万票を土台に、次に向けてどう共闘を強めるかが語られました。会議の冒頭、候補者として奮闘した蓮舫氏が温かい拍手に迎えられて登場。「最高の景色を見させていただいた」と謝意を述べました。
蓮舫氏「声あげ続ける」
 蓮舫氏は「力及ばず申し訳なかったが時間が経って考えても、若者支援や雇用関係の改善、多様性の尊重、誰かの夢を笑わない社会を求め続けていかないといけないと思っている」と語りました。
 理不尽なバッシングが続いていることに、「黙れという圧力がずいぶんとあったが、それに対して黙らないと言い続けられるのは皆さんがいてくれるからです」とにっこり。「ひとり街宣」の広がりに触れ「一人で立つ恐さや不安があったと思うが、あらためて市民の力が発揮された」と振り返り、「やっぱり心より感謝です」と述べました。
 「まだまだ声を上げ続けたい。一緒に歩いていければと思います」と語り、参加者から激励の拍手が送られました。

蓮舫氏への攻撃 ともにたたかう
 候補者選定委員会の呼びかけ人の一人、宇都宮健児弁護士は「蓮舫さんは最高最強の候補者として選んだことを現在も誇りに思っている」と表明し、直前に開催された選定委員会の討議内容を報告しました。
 宇都宮氏は「残念な結果とはなったが、ひとり街宣の活動やこれまでにない熱気を帯びた街宣が全都で行われた。次のたたかいに必ず生きるし、次につなげていくことを選定委員会で共有した」と紹介。蓮舫氏が128万票を獲得したことについて「『市民と野党の共闘』の岩盤支持層が勝ち取った結果であり、これを土台に次にどれだけ伸ばして都政を奪還するのかが課題になる」と強調しました。
 蓮舫氏に対し選挙が終わってもネットやマスコミで「性格がきつい」など激しいバッシング(誹謗中傷による攻撃)を浴びせられていることに「蓮舫さんの孤立した闘いにしておく訳にはいかない。一緒に闘っていくことも選定委員会で確認している」と報告しました。

オール東京の姿 見える化に課題
 日本共産党の小池晃書記局長は「蓮舫さんを候補にしてたたかえたことは幸せだった。最良最強の候補者だった」と強調。これまでになく人が集まった街宣や全都全国世界に広まった「ひとり街宣」、SNSによる発信に触れ「東京と日本を変えていく上で大きな財産になっている」と評価。今後の選挙に向けた課題として「『市民と野党の共闘』でたたかっていることが目に見えるように、努力を強めていきたい」と述べました。
 蓮舫氏へのバッシングについて「放置していたら女性の政治参加は成り立たない。日本社会の深刻な問題だ」と指摘。「蓮舫さんは勝った側の人からすると、ものすごい警戒感、脅威」という丸山達也島根県知事の発言に触れ、「バッシングは、このムーブメントが日本を変える力を持っているからこそだ」と強調。「これを跳ね返して国と東京を変える希望の持てる政治をつくるために力を合わせましょう」と訴えました。
 立憲民主党の長妻昭都連会長は、反省点として争点化の問題と無党派対策をあげ、「既存政党に違和感を持つ人たちの心を引きつけ、共感を呼ぶにはどうしたらいいかが課題」と提起。「いろいろ課題はあったが築いた土台は重要。いいことはいいと、さらに強化する冷静な分析が重要」と語りました。(2面に続く)

「共闘の努力重ねたい」 都知事選で合同選対会議
その後、各地域の共闘組織で選挙戦に取り組んだ市民らが発言。「共闘態勢が深まった」「楽しくおもしろい選挙になった」とする報告が多くある一方、立憲民主党の応援弁士が目立った街宣をあげ、「本当に共闘になっているのかという思いがある」「市民弁士が少なかった」などの課題を挙げる意見も少なくありませんでした。
 小池書記局長は討論を受けて「市民と野党が力を合わせるオール東京の姿を市民に示すことが大きな課題。次のたたかいは、もっと皆さんが力いっぱい共闘でたたかえるよう努力を重ねたい。力を合わせましょう」と呼びかけました。

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