山添 被害者に補償説明したのか
防衛省 掌握していない
防衛省・自衛隊の相次ぐ不祥事を受け、30日に行われた参院外交防衛委員会の閉会中審査では、日本共産党の山添拓参院議員が質問に立ちました。沖縄県民の怒りが爆発する米軍の性暴力事件の事実関係を追及し、被害者救済と実効性ある再発防止策を求めました。
二度と同じような事件を引き起こさないために、被害者救済と実効性ある再発防止策を講じる必要があります。
山添氏は、犯罪は刑事責任だけでなく民事の賠償責任も生じると指摘し、日米地位協定の下での米兵犯罪における被害者補償の制度と運用をただしました。
山添 補償の制度は防衛省が被害者に説明することとされている。12月の事件ではいつ説明したか。
田中利則・防衛省地方協力局長 防衛省がこの案件を承知したのは(今年の)6月になってからだ。
山添 まだ説明に至っていないという意味か。
防衛省 被害者にどのような説明をしているかは掌握していない。
被害者への説明がなされたかどうかすら把握していない防衛省に対し、山添氏は「少なくとも防衛省が事件を把握したのは報道があった6月25日だとされている。被害者への補償という点で政府の対応が遅れたことは否定できない」と批判しました。
一方、在日米軍司令官は今回の事件を受け、米軍と県、地域住民による新たな協議の枠組み「フォーラム」を創設するなど再発防止策を示しています。
山添氏は、その中で米軍が示している勤務時間外の行動を規制する「リバティー制度」について追及。外出規制と飲酒制限、午前1時から5時の行動制限を行うものだが、「12月の事件が起きたのは午後4時半だ。再発防止策にならないではないか」と批判しました。
その上で、「だいたい米軍が再発防止策を検討したのは、報道で世論が沸騰した後だ。表立って抗議すらしない姿勢が、米側の態度を助長したというべきだ」と批判。「米軍の犯罪は基地あるがゆえの危険であり、本来ゼロにできる被害だ。これほどまで繰り返し、まともに抗議もしないのは極めて無責任だ。被害者に、そして沖縄県と県民に謝罪すべきだ。米側に断固抗議すべきだ」と述べ、実効性ある再発防止策を日本側が積極的に提示することを強く求めました。
(しんぶん赤旗2024年7月31日付より)