外環道 住民監視を是認するな 山添氏 国交省らに認識ただす

 東京外環道(練馬区~世田谷区間)の地下トンネル工事で陥没した地盤の補修工事を行っている調布市東つつじヶ丘付近で、施工者の鹿島建設JV(共同企業体)が住民を監視・盗撮していた問題をめぐって、日本共産党の山添拓参院議員、原田あきら都議らが8日、近隣住民とともに国土交通省、高速道路会社(NEXCO)から聞き取りを行いました。国交省担当者らは、鹿島側の言い分を擁護し、住民監視を不適切だと認めませんでした。

 この問題は、しんぶん赤旗日曜版が、3月と4月にスクープとして報じたもの。鹿島JVの関係者は60人ほどが共有するインターネットのグループチャットで、「反対派の影あり。確認お願いします」、住民2人が「仲良くつつじヶ丘のエスカレータを降りていきました(NEXCOが云々と笑いながら)」、「●●(名前)奥様窓から河川を覗いています」など、住民の動向を侮蔑的な表現を交えながら共有していました。
 鹿島側は3月に出した文書で事実を認め、「騒音や振動でご迷惑をおかけしていないかどうかの確認や、現場周辺を見学されている方の安全確保のため、情報を関係者で共有しているもの」だとしたうえで、「礼節を欠いた不適切な表現があった」と反省を表明しました。
 山添氏は、「つつじが丘の駅で、住民がNEXCOについて話していたことを情報共有するのが、現場の安全確保に何か関係があるのか」と追及。国交省やNEXCO側は「普段から意見を多くいただいている住民を偶然、見かけたときなど、後から現場で責任者による対応が必要になることもあり得る。現場の管理のためのものだと報告を受けている」として、安全確保のためとは答えられませんでした。
 山添氏らはさらに「こうした行為が適切と言えるのか。国交省の認識は」とただしたのに対し、国交省側は「鹿島JVは盗撮・監視が目的ではなく、現場の安全確保や対応のためとしている」として、鹿島側の言い分を擁護しました。
 参加者が現地に張られている掲示物を示し、「『住宅にカメラやスマホを向けない』など、『誤解を招く行動を一切取らない』と注意を促している」と紹介。「60人もの人数で共有する必要があるのか。不適切な表現をした関係者は処分されたのか」とただしましたが、「報告を受けていない」としか答えられませんでした。

道路上でも気泡
 聞き取りではあわせて、7月に同地域の外環道本線から外れた地域の道路上で、気泡が発生した問題も質問。国交省担当者は「7月11日に市道の舗装の目地部から気泡が発生した。短時間で、酸素濃度などは測定していない」と答えました。
 参加者は「ホームページなどで知らせず、偶然、現地の掲示を見た住民が気付いた。きちんと説明すべきだ」と求めました。
 また、「これまでの河川での気泡発生と、同じプロセスなのか」と聞いたのにたいし、NEXCO側は「専門家に聞き取り、同じだろうとの回答を得ている」としました。参加者からは、「河川と道路で、同じなのか」との疑問も出されました。
 聞き取りには、同党の平野よしたか衆院22区予定候補と、関係区市議も参加しました。

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