東京・池袋 田村委員長の演説から
日本共産党の田村智子委員長が2日、東京・池袋で行った演説(要旨)を紹介します。
今の情勢についてお話ししたいと思います。
岸田文雄首相が、突然の引退宣言をして、メディアは自民党総裁選挙の報道ばかりになっています。
岸田首相は辞める理由として、“統一協会との癒着、裏金事件で国民から信頼を失った。自分が身を引くことが信頼回復の第一歩だ”と述べました。ここまで追い詰めたのは、国民の怒りの世論であり、その先頭に立ってきたのは、私たち日本共産党です。
「しんぶん赤旗」のスクープ報道、草の根での対話、国会論戦では「裏金事件は自民党の組織的犯罪」という核心をついて徹底追及してきました。ここまで追い詰めたのですから、もっと自民党を追い込もうではありませんか。
岸田首相の退任が「第一歩」だというのなら、「第二歩」は総裁選のはずです。しかし名乗りを上げた人は、誰も裏金事件の真相究明を言わない、「政策活動費の廃止」も掲げない。裏金議員を次の選挙で公認しないかのような発言をした人も、すぐに手のひらを返した。結局、裏金議員の票がほしいから何も言えないし、できないのです。
これらは新総裁になった人にも問われます。8月26日報道の「朝日」の世論調査では、自民党の新総裁は裏金事件の真相解明を進めるべきだと答えた人は、7割に上りました。この国民世論にこたえずに、解散・総選挙を利用して裏金事件の幕引きをはかるなど、絶対に許されません。
裏金事件は特定の議員個人のスキャンダルではありません。長年にわたる組織的犯罪です。財界・大企業から政治資金パーティーでお金を集め、金で政治を動かしてきた。これが自民党の本性です。
日本経団連は、自民党の政策に通信簿をつけて企業献金をあっせんしています。法人税減税と消費税増税、保険証廃止でマイナンバーカードを全国民に持たせようとする、医療費の窓口負担増など、すべて財界が企業献金と一体で求め、自民党政治によって進められていることです。
自民党も、建設業界に企業献金を「これだけほしい」と請求書を出しています。同業界では、公共事業の受注規模に応じ、献金額やパーティー券の枚数を割り振っています。
こんな金で動く金権まみれの古い政治をいつまで続けるのかが問われています。
企業・団体献金を全面的に禁止し、企業との癒着を断ち切る―日本共産党だけが、30年来、国会の中で法案を提出し求め続けてきました。ここに踏み出してこそ、金権腐敗の根を断つことができます。
総選挙で、裏金議員の温存、古い政治の継続をねらう自民党の議席を減らし、自民党政治をもとから変える日本共産党を大きく伸ばしてください。それこそが新しい政治への確かな一歩となります。
(「しんぶん赤旗」2024年9月4日付より)