「小山台高校定時制の廃校に反対する会」(多賀哲弥会長)などは4日、都立高校の夜間定時制を巡って、立川(立川市)、小山台(品川区)両校に加え、新たに5校の生徒募集停止を打ち出し、計7校の定時制を廃止する東京都教育委員会の方針に反対する署名・宣伝活動を東急目黒線・武蔵小山駅前で行いました。
都教委は8月22日に発表した「チャレンジサポートプラン(案)」の中で、「困難を抱える生徒の受け入れ環境の充実」のためとして、立川高夜間定時制は27年度末で廃止、小山台、桜町(世田谷区)、大山(板橋区)、北豊島工科(板橋区)、蔵前工科(台東区)、葛飾商業(葛飾区)の夜間定時制も26年度に生徒募集を停止し、28年度末で廃止するとしています。
宣伝では元教員など反対する会メンバーがリレーでマイクを握り、「小山台高校は外国につながる生徒も通い、多文化教育が高く評価されている。少人数できめ細かな教育ができる定時制をなぜなくすのか、理解できない。困難を抱える生徒の受け入れ環境の充実を言うなら、夜間定時制こそ充実させるべきだ」と訴えました。夜間定時制の卒業生でもある日本共産党の白石たみお都議もマイクを握り、署名を呼びかけました。
勉強も運動も教育方針に感動
武蔵小山駅は目の前に小山台高校があり、同校生徒も大勢利用しています。通学、通勤の駅利用者や買い物途中の女性らが足を止めて署名に応じ、約1時間で98人分の署名が集まりました。
署名に応じた小山台高校の全日制にかつて息子が通い、自身はPTA役員を務めていたという女性は、「勉強も運動も熱心な学校の教育方針に感動しました。夜間の生徒が減っているとはいえ、働きながら学びたい人に、場を提供すべきです。いい学校なので昼(全日制)も夜(夜間定時制)も残すべきです」ときっぱりと話しました。
都教委は「都立高校改革推進計画」に基づき、小山台、雪谷(大田区)、江北(足立区)、立川の4校の夜間定時制を廃止する方針を16年に決定。「都立高定時制を守って」という卒業生や都民の声が広がる中、雪谷、江北両校の夜間定時制の廃止を強行しましたが立川、小山台両校の夜間定時制は募集を継続していました。
都教委は都立高夜間定時制の募集停止・廃止を含む「都立高校におけるチャレンジサポートプラン」案について、9月20日まで都民意見を募集しています。
10月5日に存続求め緊急集会
小山台、立川の定時制廃校に反対する各会、定時制同窓会の3団体は10月5日(午後2時~)に「7校の夜間定時制の存続を求める緊急集会」を豊島区のラパスホール(JR大塚駅南口から徒歩5分)で開催します。