現役世代の7割が女性
日本共産党都議団は10日、都が採用する非正規公務員である会計年度任用職員の雇用実態の独自調査結果について、記者会見で発表しました。現役世代(61歳未満)では女性が7割超にのぼっていることが初めて明らかになり、「都民に必要な仕事を安い賃金で女性に担わせ、雇用形態を通じた女性差別につながっている」として、都に対して改善を申し入れました。
共産党都議団独自調査もとに改善求める
調査結果によると、会計年度任用職員は都全体で2万8129人(2023年度)で、男性が46・6%、女性が53・4%。一方、61歳未満だと女性が72・6%を占めます(表)。主な職種は女性相談支援員、消費生活相談員、学校司書、スクールカウンセラーなど。調査では59・4%にあたる1万6721人が学校など教育分野で働いていることも分かりました。
1年契約で更新は4回までとされています。今年3月にはスクールカウンセラー250人が大量雇い止めされ、大問題になりました。
非正規処遇改善知事の選挙公約
米倉春奈都議は会見で、「非正規労働者には女性が多く、雇用形態を通じたジェンダー不平等、女性差別にもなっている」と指摘。小池百合子知事が選挙公約で「男女賃金格差の解消」「非正規雇用の処遇改善」を掲げたことに触れ、「だとすれば、東京都の非正規雇用職員から取り組むべきだ」と述べました。
非正規公務員の雇用を巡っては、人事院が6月、更新を2回目までとしていた国に対し、制限撤廃を各府省に通知。都内では文京、世田谷、板橋、八王子、狛江には雇用年限の上限がなく、調布市は今年度から撤廃しました。
共産党都議団には雇い止めされた職員から、相談が寄せられています。原純子都議が受けた相談事例について紹介。4年半勤務し、任期終了の期限を迎えたため再度採用選考に応募し、繰り上げがなければ失職する「補欠合格」となった女性からのものです。2人目の出産予定があり、面接時に妊娠について何度も質問されました。一方、勤務していた学校には欠員募集が出ていました。
原都議は「補欠合格となった経過と欠員募集の件は、差別的取り扱いではないかと都をただした。結果的には繰り上げ合格となったが、疑問の残る経過だった」と述べました。
米倉都議は、「(雇用年限のある)非正規雇用のため、女性が安心して妊娠、出産、子育てを選べない事例も発生している。雇用年限の上限は撤廃すべきだ」と強調。国の事務マニュアルでは、産休や育休を理由に再度任用しないことは認められないとし、任用職員を妊娠を理由に合格させないのは地方公務員法の平等な取り扱い原則に反し、違法であることを改めて周知徹底すべきだとしました。